子ども3人以上で「大学無償化」は単純な話ではなかった件

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令和5年10月に多子世帯の大学無償化の話題が出ました。当時、「待ってました!」という思いもあり、すぐにブログで情報を出しました

多子世帯の「大学授業料無償化」へ 福井のファイナンシャルプランナーが解説します

そこから、条件が後出し的に出てきましたので、あらためて解説していきたいと思います。

子ども3人以上で扶養3人が条件

 子どもが3人以上の多子世帯で大学の授業料が無償化されるというニュースが出て、「待ってたよ」と思ったと同時に、扶養条件?全員が対象でいいのではないか?と感じました。

 条件を付けるとしたら、「留年はダメよ、4年で卒業してね(医学部などは6年、短大などは2年)」くらいじゃないかと思います。

 条件は「同時に3人扶養していること」でした。それはどういう状況?と思いましたので、確認してみたいと思います。

 例えば、20歳(大学2年)17歳(高校2年)14歳(中学2年)の子どもがいるとします。3歳違いの兄弟姉妹のケースを考えてみます。

2025年2026年2027年2028年2029年2030年
第1子20歳(大2)21歳(大3)22歳(大4)23歳(社会人)24歳25歳
第2子17歳(高2)18歳(高3)19歳(大1)20歳(大2)21歳(大3)22歳(大4)
第3子14歳(中2)15歳(中3)16歳(高1)17歳(高2)18歳(高3)19歳(大1)

 3人が扶養になっていることが条件となると、上記の黄色の学年で「授業料の無償化」となります。2028年に第1子が就職して扶養から外れると、2人目、3人目は無償とはなりません。扶養が3人から2人へ変更となるからです。

 年齢がひとつ違いの3人兄弟姉妹だと、対象の年度は増えますね。逆に年が離れた兄弟姉妹だと対象から外れていきます。

3人全員無償化となるか

 どのようなケースがあるでしょうか・・・三つ子が3人とも大学に進学すると3人全員が大学授業料無償化の対象となりますね。日本に何世帯あるのでしょうか・・・

 ほかに考えられるとしたら・・・第1子が医学部などで大学が6年間あるとして、その6年間で2人目、3人目が大学、短大、専門学校などの卒業が間に合うケースでしょうか。1歳違いの3人兄弟姉妹だと間に合いますね。

無償化の対象を確認

「大学無償化」の対象になっているとしても、どの大学も全額無償となる訳ではありません。国公立大学は年間約54万円、私立大学は年間約70万円を上限に授業の支援を受けることができて、国公立大学は授業料無償となります。私立大学は年間70万円を超える授業料を設定していることが多いと思うので、負担ゼロにはなりません。

 無償化となる額の上限はあるとしても、多子世帯の大学無償化制度においては所得制限はありません。多子世帯であれば、どのご家庭も対象となります。

 これは、4年制大学のみならず、医学部、薬学部などの6年制大学、専門学校、短期大学も対象になっています。

まとめ

 多子世帯の大学無償化を、あらためてお伝えしていきました。いかがでしょうか?

 現状の多子世帯の大学無償化制度は、私としては物足りないと感じています。子どもが1人の世帯も含めて大学をすべて無償化にすることはできないのでしょうか。国公立大学の授業料分を無償化することで良いと考えています。国公立大学の年間授業料を超える私立大学はその分の負担をお願いすることは不公平でもないと思います。

 じつは、私には子どもが3人います。そして、次男が現在大学生です。2025年から無償化の対象か!?と思いましたが、長男は仕事をしていて扶養を外れましたので、無償とはなりません・・・これ以上書くと愚痴っぽくなりそうなので止めておきます(笑)

 多子世帯で大学無償化の対象になったとしても、授業料以外の仕送りは必要になります。費用負担は軽くなりますが、負担ゼロではありません。教育費の準備はやはり必要になります。

 「多子世帯の大学無償化」は現状のままだと中途半端で、やるなら思い切って、振り切って、どの子どもも大学授業料無償化!と言って欲しい。当然、1人目から。ご家庭によって大学進学費用を準備できないこともありますし、数百万円も奨学金を借りることもあります。このようなことを無くしてほしい。親ガチャがハズレだったとしても、希望すれば、勉強すれば大学へ行けるぞと言って欲しい。自分の人生は自分で創っていけると言いたい。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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