大学授業料無償化でも安心できない!?教育費の準備についてFPが解説

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 大学授業料の無償化になるらしいという情報を耳にして、安心してお子さまの進学を考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には無償化の対象は多子世帯であり、すべての家庭がその恩恵を受けられるわけではありません。

 さらに、授業料が無償化になったとしても、安心できない現実があることをご存じでしょうか。大学生活でかかる費用は授業料だけではなく、教材費や生活費、部活動費用、そして留学費用など、見落とされがちな出費が数多く存在します。これらの費用が家計に大きな負担を与え、準備不足が将来の選択肢を狭めるリスクを抱えているのです

大学授業料無償化の現状

 現在、政府は多子世帯を対象とした大学授業料無償化を進めています。これにより、3人以上のお子さまを持ち、同時に3人以上を扶養している家庭の経済的負担は軽減されるものの、無償化の対象外となる家庭は依然として授業料を負担することになります。

子ども3人以上で「大学無償化」は単純な話ではなかった件

 また、給付型奨学金の範囲が拡大し、特定の条件を満たす学生には支給される制度が整備されていますが、所得基準や成績要件が設けられており、全ての家庭や学生に十分な支援が行き届いているとは言い難い現状があります。特に、給付型奨学金は補助的な意味合いが強いと感じており、やはり教育費の準備は必要です。

 あなたのご家庭が給付型奨学金の対象になるかどうかを確認してみましょう。日本学生支援機構(JASSO)のサイトを参考にしてください

【奨学金シミュレーター】※日本学生支援機構ホームページ

 つまり、多子世帯に対する大学授業料の無償化や給付型奨学金の拡大といった施策が進んでいるとはいえ、教育費の準備をしなくとも大丈夫と考えることは、非常にリスクが高いといえます。多子世帯に該当しない家庭や、給付型奨学金の条件を満たさない家庭にとっては、教育費の負担は依然として大きなものです。そこで、具体的な例を挙げながら、なぜ教育費の早期準備が必要なのかを考えてみましょう。

教育資金を準備する

 大学進学でどのような費用が掛かるのかを、ざっくりでも良いので見積もっておくことが重要なポイントです。アパートを借りる家賃、入寮するなら寮費などを確認しておきましょう。授業料以外の費用を見積もっておかないと、慌てる場面に遭遇します。地方から東京へ進学するお子様も多くいらっしゃると思います。福井県から東京へも多くの学生が進学します。福井だと関西、中京も多いですが、いずれにしても県外への進学が多くなります。地方は地元にある大学数が少ないですし、高校3年生が全員進学できるほどの定員もありません。

 家賃の相場はどの程度か、水道光熱費でこれくらい、食費はこんなもんかな、というように毎月の生活費をイメージしておきます。次のサイトを参考にしてみてください。

※全国大学生活協同組合連合会【第59回学生生活実態調査 概要報告】

 大学進学までに準備しておきたい金額を目標に設定して、積み立て、資産形成をしていきます。もしくは、大学にかかわる費用を毎月の収入から拠出できそうであれば、それなりに対応できるでしょう。ですが、その頃にも変わらず収入があるという保証もありませんから、手ぶらで大学進学突入はせずに、しっかり準備をしておきましょう。お子さまは学業を頑張る、親は資金を準備するという構図です。

 そして、準備の状況によって子どもに対して、「ここまでは親が準備する、ここからは自分でバイトしてカバーしてほしい」ということを、しっかり伝える必要があります。

このようなケースがあります

 奨学金、教育費についてのセミナー講師を経験していますが、セミナー後の質問などで愚痴?みたいな会話になることがあります。進学校ではない高校の場合は、「子どもが急に進学すると言い始めた」「県外の大学へ進学する可能性がでてきた」のような、思ってたのと違う道が出現することもあります。

 「急に言われても困る」と思うかもしれませんが、児童手当は支給されています。これまでの制度で言うと15年間で約200万円を受け取っています。児童手当を日常的に使う口座と分別して受け取るだけでストックできているはずです。しかし、先ほどのような会話をするご家族の話を聞くと、「児童手当なんて、もうない」「あ~、分けてませんでした」となることが多い印象です。

 Aさん一家の事例を見てみましょう。Aさんはお子さんが高校生になるまで、教育費の準備を意識していませんでした。大学に進学する可能性は低いと思っていましたし、進学することになっても何とかなるでしょうと考えていました。しかし、いよいよ大学進学が現実的になったときに授業料以外の費用が思った以上にかかることに気付き、急遽教育費を工面しなければならなくなりました。結果的に奨学金を受けられたものの、その範囲では足りず、教育ローンを組むことになりました。奨学金は大学を卒業してから子ども本人による返済が始まりますが、教育ローンは親の返済が直ちに始まります。Aさん一家は、毎月の返済に追われる生活を送ることになり、家計に大きな負担がかかっています。

 大学進学はデフォルトである状況を踏まえて、準備しておく方が良いですね。準備していた資金を使わなかったとしても、それはそれでOKですし。

 一方で、Bさん一家は、お子さんが小学生の頃から教育費の準備を計画的に行っていました。児童手当は区別して貯蓄しています。学資保険に加入し、NISAを活用して積極的に資産形成を行った結果、お子さんが大学進学する頃には十分な教育費を確保することができました。そのため、Bさん一家は家計に大きな負担をかけることなく、お子さんに安心して大学生活を送らせることができています。

 このように、教育費の準備を早めに行うことで、将来的な家計への負担を軽減することができます。また、資金を計画的に積み立てることで、お子さんの進学先や留学の選択肢を広げ、将来の可能性を最大限に引き出すことができます。高校生になってからの3年間で準備するのと、18年間で準備するのでは、まったく違います。

 大学の4年間での経験、体験も重要になってきます。就活にもかかわってくるかもしれません。経験や体験はある程度のお金の自由さがないと叶わないことがあります。授業料以外の費用をどれだけ準備するのか、できるのか、事前に検討してみましょう。

 教育費の準備は、一朝一夕でできるものではありません。計画的に積み立てを行い、リスクを見据えた資産形成を行うことで、安心してお子さまの将来を支えることができます。しかし、どのように準備を進めれば良いのか、具体的なプランニングに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

 教育費を準備しなくても大丈夫な人もいますね。毎月の収入から生活費を差し引いても、仕送りができるほどの金額があれば問題ありません。大学の4年間は貯蓄が進まないねで済みます。

相談できる人はいるか(まとめ)

 このようなときは、ファイナンシャルプランナー(FP)にご相談ください。FPは、相談者一人ひとりのライフプランや経済状況に合わせた最適な教育費準備の方法を提案します。例えば、学資保険やNISAの活用方法、効率的な資産運用のアドバイスなど、さまざまな手段を駆使して、お子さまの教育費を無理なく準備できるプランを設計します。※準備期間が短い場合は少々の無理がかかります

 お子さまの未来を守るために、今からでも遅くはありません。早めの行動が将来の安心につながります。ぜひ一度、当事務所にご相談ください。プロの視点から、あなたとご家族の将来設計を全力でサポートいたします。

 ライフスタイルプラスでは、忙しい方や遠方にお住まいの方でも安心してご利用いただけるよう、オンライン相談も受け付けています。インターネットを通じて、ご自宅などから気軽にご相談いただけるため、移動時間や場所の制約を気にせずに、専門的なアドバイスを受けることができます。ただし、深夜と早朝はご勘弁ください(笑)また、初回相談は無料としていますので、まずはお子さまの教育費に関するお悩みやご不安を、お気軽にご相談ください。

 早めに行動を起こすことで、将来の不安を解消し、安心した教育環境を整えることができます。皆さまのご相談を心よりお待ちしております。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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