新NISAから撤退した方が良いのか?反対の立場でFPが解説します

新NISAから撤退した方が良いのか?反対の立場でFPが解説します
この記事はだいたい 4 分前後で読めます。

 ここのところ、「新NISAをやめておけばよかった」「全部売却しました」「こんなに下がるなんて聞いてない」みたいな、ネット記事、動画などが散見されます。

 それが正解ですか?みんな、過剰に反応し過ぎていませんか?と考えています。ここで、あらためてNISAについて確認してみましょう。

新NISAとは?

 まずは、新NISAとは、どんなものでしたか?を確認してみましょう。

 これです、勘違いなさらないようにお願いします。相談の中でも会話に「NISAって儲かるんですよね?」という言葉が出ます。そして毎回伝えます「NISAだから利益が出るということではありません、損失が出ることもあります」

 「えっ、そうなんですか?」という感じになって、そこから説明をしながら、相談をしています。もともと興味がある人ですから理解をしていただけますし、長期での積み立て投資をお勧めするので、NISAで投資デビューされる人も多いです。

重要ポイント:NISA≠儲かる =非課税制度

NISAは金融商品ではありません、制度です。

NISAからの撤退を検討する

 新NISAが始まる2024年1月に投資をスタートできた人は、これまでは調子よく利益が出ていた人も多かったと思います。そして、今回の円高と株安での下落となりました。「利益が半減した」「利益が消えた」という人もいらっしゃると思います。

 そろそろ始めたいなと考えて、6月、7月から始めた人は、今回の下落が直撃していると思います。思いがけずマイナスからのスタートとなりました。

 今回のマイナスの精神的なダメージが大きくて、夜も寝られないという人は撤退してもいいかもしれません。

なぜNISAを始めたのか?

 投資を始めた目的はどのようなものでしたか?思い出してみましょう。〇〇年後の住宅購入資金として、○○年後の老後資金準備として、いろいろあると思います。短期的な相場の変動に振り回されずに、長期的な視点を持ちたいと思います。一喜一憂せずに、ひとまず落ち着きましょう。

現状確認と今後の見通しは?

 今回の下落の要因はなんでしょうか。情報収集しましょう。あまり偏らないように、多くの情報を検証していくと良いと思います。そして、今後の見通しにおいても、注視していくことも重要です。日本の市場、私たち日本の投資家は、アメリカ市場の影響が大きいと今回実感しました。日本での金利引き上げも重要ですが、やはりアメリカの動向も気にしていく必要があります。

 ドル円の為替においても、外的な要因が大きく影響すると思っていて、日本の影響で円高円安になるというより、ドル高ドル安によって円相場が動くと思います。

 いろんな方面から情報を集めて、これからの経済状況の推移を検討することがポイントです。といっても、私も経済学者でもなくアナリストでもありませんから、そこまでの知見はありません。信頼できる情報を見極めることしかできないと思います。

 大きな声に引っ張られないように情報を精査することが重要です。感情で流されないようにしたいものです。

NISAのメリットを再確認

 NISAのメリットは何でしょう。まずは、運用益非課税で投資ができる税制面のメリットが第一であり最大のメリットでしょう。通常では約20%の課税がありますから、その分が非課税ということは大きいメリットです。

 長期投資に向いていることもメリットです。無期限で利用できます。制度の終わりがない、つまり終わりは自分で決めることができます。投資額の上限はありますから、そこは注意点です。

担当者に相談する

 NISAを利用している金融機関、証券会社の担当者に相談してみましょう。この状況をどう考えれば良いのか?このまま継続して良いのか?と、直接相談してみましょう。そのための担当者です。

 インターネット口座で投資をしている人は、担当者がいないので、ご自身で解決するか、もしくはFPなどに相談するといいかなと思います。誰かの話を聞くことも良いことあると思います。

撤退するか、継続するか

 基本的に継続することを前提に、検討されるといいかなと思います。積み立て投資をしている人は、もちろん継続です。下落しているタイミングは、多く購入できるチャンスです。

 一方で、一時金で購入して今回の下落に直面されている人は悩みますよね。つい先日まとまった資金で購入した金融商品が一気に目減りしている状況ですから、心中お察しいたします。どのような金融商品、投資信託を購入したのかにもよりますが、こちらも基本的には継続保有でよろしいかと思います。未来の無い投資信託の可能性もありますから、すべての人が継続で!とも言えませんが・・・

 そうは言っても、多くの人は慌てて撤退せずに継続する方がいいかなと思います。先ほども書きましたが、今回の下落で夜も寝られない人は、撤退を検討した方が良いかもしれません。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?今回は日経平均の最大の下げ幅というニュースで慌てて売却された人もいるかもしれません。ただ、過剰な反応だったと考えています。そこまで下落するほどの状況だったのか?と思います。

 このような下落局面は、これから先もあると思います。世界経済は右肩上がりと言われていますが、マイナスするタイミングはあります。そのグラフを近い視点で見ると、上昇と下落があります。引きの視点で見ると右肩上がりになっています。これからも〇〇ショックは発生します。それでも、対応できるように、分散投資を考えていきたいですね。

 最後のまとめの言葉として、お伝えします。今回の下落相場でのNISAからの撤退は「見送り」です。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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