最近は、資産形成に取り組む人が増えています。NISAやiDeCoの情報も多くありますので、投資が身近になっています。とても良いことだと思います。
ここまではいいのです。
心配なのは、投資をしてこなかった人が、退職金で突然まとまった資金を持つことです。
いえ、まとまった資金を持つことはいいのですが、そんなタイミングで投資の営業をかけられることが心配です。
「他人事だし、まあいいか」なんですが、私の仕事的にそうも言ってられないと考えています。
退職金で、1000万円、1500万円、2000万円といった資金を持ち、「なんか、おいしそう」に見える投資の話があったら興味が出ますよね。老後資金が減らないように何かしら対策したいですから。
そんな、突然まとまった資金を持った人に、知っておいて欲しいことがありますので、解説していきます。
分からないものは購入しない
まず、伝えたいこと、「分からないものは買わない」ということです。知らないものではありません。
知らないものでも、説明を受けてご自身で判断できるものは、購入の検討をしてください。
これまで、投資をしてこなかったので知らないことはあると思います。そして、営業を受けて説明を聞いて、納得できるかどうかです。
営業の人が熱心に説明してくれるから、よく分らんけど購入してみよう・・・これ最悪です。
しかも、その熱心に営業した人は、3年後、5年後は異動になり、もういません。
こんな事例も・・・
証券会社で1000万円を購入資金として投資の話をしていました。そして5年前に実際に購入しました。
「外貨建て仕組債」
私は証券外務員2種なので取り扱いできない仕組債。知識はあるけど販売できない仕組債。全く予備知識ない人に、「外貨建て仕組債」をしっかり理解できるまで説明する自信はありません、私。実際、説明して販売できませんから、そのような機会は無いのですが。
そんな外貨建て仕組債を、熱心に良いように説明をして、「なんか、おいしそう」に見えて購入しました。5年後の今年結果が出ました。4分の1になりました。
これは結果論なので、たまたま資金を減らす結果になったとも言えます。知らなくても利益が出る可能性もありますから。
ただ、マイナスになったことに自分で責任を持てますか?ということです。「あいつのせい」になりませんか?そのような状況はストレスしかありません。
リスク許容度を知る
あなたは、どの程度のリスクを取れるでしょうか?リスクとは、プラスとマイナスの幅です。マイナスになる確率ではありません。基本は、ハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンです。大きなリターンを求めるとマイナスも大きくなると予想されるので、リスク(リターンとマイナスの上下の幅)が大きくなります。ローリスクハイリターンはありません。
例えば、1000万円の資金があって投資をします。
マイナス100万円は耐えられますか?マイナス300万円は覚悟できますか?
ということです。
100万円もマイナスになるかと思うと寝られない・・・と思えば、投資はやめた方が良いかもしれません。投資自体がストレスになるかも。
これは10%マイナスになっても構わないという意味ではありません。10%である100万円がマイナスになったとしても、「そんなこともあるでしょう」といえるかどうか。
マイナスを歓迎するという意味ではありません、念のため。
リスク許容度がどの程度なのか確認しておくと、投資で購入する金融商品を選択する基準が明確になります。その範囲で、どれにしようか検討できると、ストレスなく投資生活ができると思います。
商談と相談は違う
あなたに金融商品を勧める人は「商談」です。その話を聴いているあなたは「相談」しているつもりです。
このギャップがあることを認識してください。
営業担当者があなたの味方とは限りません。販売して終わりの営業担当者、購入してからの結果責任を持つあなた、どう考えても立場が違い過ぎるのです。
心配になります。そんな商談が聞こえてきたら、関係ないけど口を挟みたくなります。できませんが・・・もどかしいです。
とにかく、商談と相談は別物だけど、同時に行われているということです。
私がお勧めするのは
ここで、私がお勧めする金融商品をピックアップすると、ちょっと待て!商談か?となるかもしれませんが、具体的な金融商品名は出しませんので、ご安心を。
まとまった資金で投資をする場合、私に相談していただくと「外国債券」を中心に話をします。その中でどれにするかは、「商談」ではなく「相談」していきます。
為替も関係するので、注意が必要です。あなたのリスク許容度も関係します。
外国債券の一択か?
外国債券の一択ですか?と聞かれると、一番手ではありますが一択ではありませんという回答になります。
あなたが納得できるか?というのも重要です。外国債券の話をしますが、そもそも為替が関係するのは避けたいという人もいらっしゃいます。無理に外国債券をお勧めすることはありません。私のお勧めする順番にお話をして、納得できる商品があれば購入するということです。最終的に現金で保有することになるかもしれません。
円安と投資のタイミングはどう考えるか?
本筋から少々ズレますが、気になることかと思い解説します。
円安だとドル建て債券は割高感があります。100ドルの金融商品を購入するとき、1ドル120円の場合は12,000円、1ドル150円の場合は15,000円となり、同じものを購入するのに高くつきます。
ただ、購入するタイミングでの為替の影響は、その外国債券の金利によって変わります。円安で購入した時の円高リスクを、過度に心配する必要はありません。
詳しくは、個別でお話しする方が良さそうです。
まとめ
いかがでしたか?
私が思う退職金の投資に対する心配事をお伝えしました。金融商品だけでなく、不動産投資もあります。いろんな場面で、商談と相談が発生します。
資産がマイナスになっても誰も責任を取ってくれません。自己責任です。詐欺なら責任を問うことはできると思いますが、マイナスが補填されるかどうか分かりません。
退職金など、まとまった資金を投資に回したいと考えた時は、私でなくとも、周囲の信頼できる人に相談してください。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております