2024年から新NISAがスタート、このタイミングで資産形成を始めた人も多いのではないでしょうか。実際に口座数、流入資金ともに増加しています。
NISA口座の開設している人はどれくらいいると思いますか?金融庁のデータによると、令和6年3月時点で2322万6458口座です。
NISAで金融商品を購入している額は、成長投資枠で約5兆1341億円、つみたて投資枠で約1兆436億円です。合計で6兆円以上の資金で購入されています。NISA口座の開設数、買い付け額の中心は40代、50代、60代です。
金融庁の【NISA口座の利用状況調査】(エクセル)をご参照ください。サイトはこちらです
もしかしたら、証券会社をどこにしようかとあまり考えずに、とりあえずNISA口座を開設したという人も多くいらっしゃるかもしれません。そして、あっちの証券会社の方が良かったかなと感じている人もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな人たちにお伝えしていこうと思います。
NISA口座の証券会社の変更は必要か?
NISA口座を開設したのはいいけど、本当にこの証券会社で良かったかしら?と、ふと疑問に思うことがあるかもしれません。投資、資産形成を始めると、関連する情報が目に入ってくると思います。そのなかで、証券会社でこんなに違いがあるのか?と気づくかもしれませんね。
NISAを活用するときに証券会社ごとで一番大きい差は、商品ラインナップです。投資信託、ETFにおいての違いは顕著にあります。日本で販売されている投資信託は5000本以上あります。取り扱いが多いと言われているネット証券で購入できる投資信託は2600本程度です。すべての投資信託を購入できる証券会社は存在しません。
つみたて投資枠での資産形成も人気があります。つみたて投資枠で購入できる対象商品を金融庁が選定していまして、2024年10月1日現在で300本です。あなたが取引している証券会社でつみたて投資枠の商品ラインナップは何本あるでしょうか?300本、200本あっても困っちゃうと思う人もいるでしょうが、10本、20本しかないというのはもっと問題だと考えます。
あなたの証券会社を確認してみましょう。そして、NISA口座での投資状況がどうなっているのか確認しましょう。証券会社の変更を検討しても良いかもしれません。
証券会社変更のメリットは?
変更するとしたら、どのようなメリットがあるでしょうか。
取り扱い商品のラインナップの拡充
投資信託、ETF(上場投資信託)が多くの商品の中から選択できるのは、とても大きな魅力です。つみたて投資枠も成長投資枠のどちらもです。つみたて投資枠において、10本から選ぶか、240本から選ぶか、どちらがいいですか?240本もあったら選ぶのが大変!と思うかもしれませんが、その選び方はFPやIFAに相談できます。
また、成長投資枠は幅広い商品に投資ができます。その分、各社の差ができます。魅力のある海外株式、海外ETFなど多くありますから、商品ラインナップはぜひとも気にしてください。
何を確認したら良いのか、どう比較すると良いのか分からない人は、FPに相談してください。
クレジットカード決済
クレジットカード決済ができることもメリットに挙げられます。積み立て投資でクレジットカードを活用するとポイントが貯まっていきます。証券会社によって使用できるクレジットカードが決まっていますので、確認してみましょう。
手数料が異なる
投資信託は手数料無料のものが多く、つみたて投資枠を活用することを考えると大差ありません。成長投資枠を活用する場合は取扱商品の幅が広く、手数料が発生するものが多くあります。おおむね、ネット証券は手数料が無料や低い会社が多く、窓口取引になると手数料が比較的高くなるものが多くあります。
ホームページの見やすさ
ホームページの見やすさ、使いやすさですも気になるところです。ネット上で買付や売却をすることが多いと思うので、重要なポイントになります。買付、売却の手続きや、商品の検索がストレスなく使える方が良いですよね。引っ越しに伴う変更や、事務手続きもネット上で完結できる証券会社が便利であることは間違いありません。
カスタマーサポートも気にかけたいところ。問い合わせなどがスムーズでストレスない方が良いですね。
おまけとして
変更のタイミングでNISA口座開設キャンペーンなどがあると、うれしいものです。ポイント付与やキャッシュバックなど、さまざまなキャンペーンが展開されているかもしれません。お得に活用してみましょう。
証券会社変更の注意点
証券会社変更手続きをしたら、今年の残り期間はどうなるでしょうか?10月に変更手続きをした時の11月、12月はNISA口座は使えなくなるのでしょうか?そんな心配も出てきますね。
安心してください。12月までは現在の証券会社で引き続きNISA口座で投資ができます。
もうひとつ、現在の証券会社のNISA口座で保有している投資信託や株式等はどうなるでしょうか?運用益非課税で継続できるのでしょうか?
安心してください。NISA口座でそのまま保有することになりますから、運用益非課税の恩恵はあります。
2024年に新NISAがスタートするタイミングで証券会社を変更された人も、2023年までに旧NISAは、そのまま当時のルールで継続保有となっています。ただし、保有期間はつみたてNISA20年、一般NISA5年(※ロールオーバー不可)の制限があります。
証券会社変更の流れは?
証券会社を変更するのはどうするといいのでしょうか?まずは、流れを確認しましょう。NISA口座はひとり1口座です。現在の証券会社にNISA口座を残したまま次の証券会社でNISA口座開設は出来ません。
今のNISA口座を閉じる、次の証券会社でNISA口座を開設するという流れです。それでは、ひとつづつ手順を見ていきましょう。
現在の証券会社での手続き
現在の証券会社に依頼します。オンライン対応可、窓口対応など、会社により異なります。
手元に届いたら、必要事項を記入し返送します
1~2週間程度で、郵送されます。非課税口座廃止通知書となっているかも。
新しい証券会社での手続き
総合口座を同時に開設します(初めての取引の証券会社の場合)オンライン対応、窓口対応など会社により異なります。
NISA口座申し込みと勘定廃止通知書を同封し送付します。
メールや郵送で完了の通知があります。手続き開始からおよそ1カ月で完了します。
変更する証券会社がオンライン対応でしたら、総合口座、NISA口座の申し込み、勘定廃止通知書をアップロードして続きは完了します。スマホだけで手続きできるのはお勧めできます。
変更手続きが心配な人は、FPに相談しましょう。
証券会社の変更をした方が良い人は?
NISA口座の変更は割と簡単だなと感じていただいたと思います。少々のお時間は必要ですが、手続きはシンプルです。
商品ラインナップが寂しいなと思う人、手数料が気になる人、このような人はすぐに手続きを進めましょう。2025年からは変更した新しい証券会社でNISA口座を活用することができます。
私は変更した方がいいかな?と不安に感じた人はFPに相談しましょう。
資産形成を始めようと思ってNISA口座を開設したけど何も始めてない人は、証券会社をしっかり選んでみましょう。2024年にNISA口座で何も買付していない人は、年内に変更後の証券会社でNISAをスタートすることができます。
まとめ:FPに相談する意味
証券会社選びや、変更について、迷うこと悩むことがあるかもしれません。ネット上にも多くの情報がありますから、ご自身で精査して証券会社を決めることもできます。もちろん、それでOK。
何をどうすれば良いのか分からない人、ご自身でNISA口座を開設したけど結局スタートできなかった人、NISA口座の変更を初めてする人、誰かのサポートが必要な人は相談してください。
ただ、FPなら誰でも相談できるかというと、そうではありません。得意不得意があります。証券会社の変更だけでなく、その後も資産形成の相談をしたいと考えている場合は、相談するFPを選んだ方が良いと思います。
NISA口座の証券会社変更や、最適な資産形成を相談したい人は、お声掛けください。オンライン相談、リアル相談、どちらも対応できます。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております