お金はなかなか貯まらないですか?順調に貯まっていきますか?ご家庭によってさまざまだと思いますが、みんなはどれくらい持っているのでしょうか?気になりますね~
金融広報中央委員会が実施したアンケートの集計データを見ていきます。みんなの状況を知って安心するのか不安が大きくなるのか分かりませんが、ひとまず確認してみましょう。
みんなはいくら持っていますか?
さっそく、データを見てみましょう。金融資産はどのくらい持っているのでしょうね。
二人以上世帯調査のデータで見ていきます。金融資産は「持っていない」人も含めてのデータとなります。年代別に確認していきましょう。
20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | 全国 | |
平均値(万円) | 249 | 601 | 889 | 1147 | 2026 | 1757 | 1307 |
中央値(万円) | 30 | 150 | 220 | 300 | 700 | 700 | 330 |
みなさま、いかがでしょうか?まあ、こんなもんかという感じでしょうか?ちなみにですが、平均値と中央値は異なりますので、その意味合いを抑えておきましょう。
- 平均値
-
・全データを合計して、データの個数で割る
・極端に大きな数値、小さな数値の影響を大きく受ける
- 中央値
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・データを大きさの順に並べて中央にくる数値
・極端に大きな数値、小さな数値の影響を受けにくい
- 計算事例
-
貯蓄額 A100万円 B200万円 C300万円 D400万円 E1億円
この5人の場合の計算
平均値:2200万円
中央値:300万円
金融資産保有額を種類別で見てみよう
次に、その金融資産を種類別に見ていきたいと思います。先ほどの年代別平均値より見ていきたいと思います。
金融資産額 | 預貯金 | 生命保険 | 個人年金 保険 | 債券 | 株式 | 投資信託 | その他 | |
20歳代 | 249 | 105 | 47 | 12 | 0 | 17 | 32 | 36 |
30歳代 | 601 | 286 | 59 | 25 | 11 | 126 | 59 | 35 |
40歳代 | 889 | 361 | 121 | 52 | 18 | 166 | 88 | 83 |
50歳代 | 1147 | 472 | 160 | 91 | 28 | 183 | 95 | 118 |
60歳代 | 2026 | 885 | 207 | 144 | 96 | 407 | 190 | 97 |
70歳代 | 1757 | 774 | 199 | 74 | 110 | 369 | 153 | 78 |
全国 | 1307 | 563 | 153 | 79 | 55 | 253 | 119 | 85 |
グラフにするとこんな感じです。預貯金の比率が高いのは予想通りですが、投資信託より株式の保有が大きいんですね。自社株の保有、株主優待目的が多いのでしょうかね。
生命保険、個人年金保険も一定の人気はあるようです。債券の保有が思っているより少数でした。60歳代、70歳代はもう少し債券の保有比率を増やしてもいいのでは?と考えます。
金融商品について
みんながどれくらい持っているのかデータを確認していきました。投資性の金融商品も保有していることが分かりました。そのうえでですが、皆さまはどのような意識で金融商品を保有しているのでしょうか?見ていきたいと思います。
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](令和5年)より
金融商品を選択するポイント
金融商品を選択するときの重視する項目です。収益性、安全性、流動性から検討されます。安全性重視から収益性重視に変化しています。
2020年から2021年で完全に潮目が変わっているように見えます。収益性を求める比率が高くなっています。安全性重視の比率が減少しています。ある程度のリスクを取ってリターンを求める人が増加しているようです。このデータは金融商品を保有している世帯のもので、非保有世帯は入っていません。
元本割れの可能性をどう考えるか
こちらのデータでも2020年から2021年で大きく変化しているのが分かります。元本変動型の金融商品を保有することを敬遠する人が減少し、むしろ積極的に保有を検討する人が増加しています。近年、投資系の書籍も増加しているし、ネット上でも動画サイトでも投資系が増加しています。玉石混交なのは間違いないので、私たちも情報を見極める力が必要になっています。
2020年に何があったか?
2020年は何があったのか振り返ると、新型コロナウィルス感染拡大の年ですね。しかも、直前の2019年には、金融庁の金融審議会市場ワーキンググループの報告書から「老後2000万円問題」が噴出し、年金ヤバい、老後ヤバいという、ひと騒ぎあった年です。
この2年間は今考えても大変な年でした。金融業界としても2019年はざわざわしましたし、2020年は自宅待機もありました。仕事の進め方にも変化がありました。環境の変化もありました。
とくに2020年は証券会社の証券口座開設、NISA口座開設に時間がかかりました。新型コロナ渋滞が発生していました。投資をしないといけない空気感、相場も大きく下落してから元に戻るという状況、自宅待機で自分時間がとりやすい環境、いくつもの要因が重なることで多くの人の意識が投資に向かう契機になったのは間違いありません。
そんな2020年、完全に日本国民の意識が投資へと変化した年になったと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
皆さまが保有している金融資産を見ていきました。全国のデータをご覧いただいて、安心しましたか?不安が大きくなりましたか?このようなデータは平均値より中央値の方が実際に近いように思います。また、このようなデータはあまり意識し過ぎない方が良いと思います。このようなデータを出しておきながら、なにを言うてるの?という感じですね、すみません・・・
そもそも、お金のことはご家庭により状況が異なるので、比較するのもナンセンスというものかもしれません。人のことより自分のことを考えていきましょう。比較すると他人が羨ましく感じますし、他人のことをするのも疲れます。ご自身のご家庭がうまく経営できていれば問題ありません。
もっと詳細なデータを見たい人は、リンク先の金融広報中央委員会の資料をぜひご確認ください。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております