毎年のように日本のどこかで災害が起きています。地震、大雨などの災害は、いつどこで起きても不思議ではありません。
そのような災害時、緊急時にどのように備えるといいのでしょうか?
ファイナンシャルプランナーの視点で解説していきます。
災害に備える「お金のこと」3つのポイント
災害はいつ発生するのか分かりません。地震予測もできないようです。そのような状況でも、事前に備えることはできます。
大切なポイントを3つお伝えします。準備できていますか?確認してみましょう。
ポイント①緊急予備資金の確保
ライフプラン相談で緊急予備資金を準備する必要性を説明するときに、勤務先の倒産、リストラも含めて無職になり収入が途絶えることを説明することがあります。大病で長期入院となり、職場復帰がかなわない可能性もあります。災害のことも触れますが、説明する比重は小さくなっています。このブログを書きながら反省しております。
目的はいくつもある緊急予備資金ですが、できれば3~6ヵ月分の生活費を確保しておきたいところです。生活費が25万円としたら、75万円~150万円を目安に準備したいところです。心配な人は1年分の生活費を準備した方が良さそうです。
まずは緊急事態を乗り切ることが大切です。
この資金はすぐに使いたいので、預金などで準備しましょう。貯蓄性保険や投資信託で準備すると解約や売却などの手間がかかりますので避けます。また、災害の混乱によって引き出しの制限や時間がかかったりするかもしれませんから、リスクを分散するために複数の金融機関に口座があると安全です。本人確認できる免許証やマイナンバーカードも、さっと持ち出せるようにしましょう。
ポイント②地震保険・火災保険の加入
次は住まいの心配です。火災保険などの損害保険の準備は大丈夫でしょうか?加入するだけでなく補償内容も確認してください。
火災保険の確認ポイント
- 保険金額は足りているか?
- 水災の補償はあるか?
- 臨時費用などの特約はあるか?
- 一部自己負担するのか?
最低限、この辺りは確認しておきましょう。
とくに①と② きちんと補償されるかどうかに関わるところです。火災保険をかけていても、しっかり保険金を受け取れないのでは意味がありません。大事なのは補償内容です。遅くとも保険更新のタイミングで確認してください。できれば、保険の担当者に今電話してください。
火災保険に加入していない人は、お付き合いのある保険代理店に連絡するか、対応が良さそうな保険代理店をネット検索してください。
次に、地震保険
地震保険は単独で加入できません。火災保険に加入し、地震保険を付帯します。お住まいの地域によって保険料は変わりますので、ご確認ください。
地震保険の保険金額は火災保険の半分までとなります。2000万円の建物に火災保険は2000万円の保険金額を設定しますが、地震保険はその半分が上限なので1000万円の保険金額となります。
この保険の場合、火災で全焼したら受け取る保険金は2000万円、地震で全損したら受け取る保険金は1000万円となります。
つまり、地震保険の保険金は、住宅を立て直すというより、生活を立て直すことになります。地震保険を契約して、当面は大丈夫と思える安心感をご準備ください。
ポイント③手持ちの現金
最近は現金を持ち歩かない人も多いと思います。財布も持ち歩かないという人もいるかもしれません。
緊急時、災害時は現金が強さを持つ場面が予想されます。付近一帯が停電になると、クレジットカード決済も電子マネー、QRコード決済もできなくなります。その時は現金の出番です。
ATMも使えないかもしれません。
防犯対策はしっかりする前提で、数万円は手元に置いておくといいですね。さらに言うと、千円札が使い勝手が良さそうです。
災害のその後のことも考える2つのポイント
災害時、緊急時だけではなく、その後についても考えておけると安心と思います。ポイントを2つ解説していきます。
ポイント④保険証券をわかるところに
状況が落ち着いて、先に進もうとするときに保険金請求をします。そのときに、スムーズに手続きできるように保険証券の置き場所を決めておきましょう。家族みんなが知ってる場所にします。
災害時には保険証券が行方不明になる可能性もあります。もし、証券が紛失しても証券番号が分かれば大丈夫ですし、保険代理店に連絡をすれば何とかなります。
いずれにしても、「ここにある」「ここに連絡」ということをわかるようにしておきましょう。これだけで心の落ち着き方が違うと思います。
ポイント⑤財産(負債)リストの作成
もし、私に何かあったら・・・
そう考えると、私だけが分かっていて家族は知らないことが多いのでは?と気づきます。家族に内緒のネット銀行、ネット証券の口座はありますか?秘密にしている借金はありませんか?
今のうちに告白しろ!とは言いませんが、「私に何かあったら、ここを見てくれ」と伝えておくだけでもしておきませんか?
生命保険の契約についても家族に知らせておきましょう。保険は請求しないと受け取れませんから、保険契約の存在を知らないと何もできません。
これは終活の話にも繋がりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
防災などは専門家に任せるとして、お金周りのことを解説しました。
今回のポイントは5つありますが、どれも準備してほしいことです。取り組みやすいことから順番にしていきましょう。
自然災害は無くなりませんし、いつかは自分が当事者になります。早めに準備することをお勧めします。
緊急予備資金などお金に関することは、自分でなかなか取り組めないという人は、お声掛けください。いつでも相談できます。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております