老後資金はいくら必要なのか?ファイナンシャルプランナーが伝えたいこと

老後資金はいくら必要なのか?ファイナンシャルプランナーが伝えたいこと
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老後資金は心配ですか?

人生の三大資金は、「教育資金」「住宅資金」そして「老後資金」です。その中でも、老後資金の準備に心配する方も多いと思います。20代のライフプラン相談でも「老後資金が心配」との言葉が出てきます。これは、2019年に金融庁の市場ワーキンググループから発表された老後2000万円問題の影響が大きいと思います。その判断に使われたのは総務省の2017年の統計資料で、この統計は毎年行われていますが、2020年には老後55万円問題になっています。老後2000万円問題が2020年にはなくなっていることはニュースになりません。私が出演しているFBCラジオで平均の数値はあてにならないと何度も話をしています。言い換えると、平均の数値は自分にあてはまらないということです。データだけ見てビビる必要はありません。ご自身はどうか?を考えてみましょう

老後とはキャリアプランだ

いつから老後ですか?

これは決まった年齢はなく、あなた次第ということです。イメージしやすいのは仕事をリタイアするときでしょうか?それは何歳ですか?

家計は収入と支出で考えます。収入が大きく変わるのは、給料⇒年金となるタイミングではないでしょうか。配偶者がいるかどうか、お二人の年齢差はどうか、何歳のお子さまがいますか、などにより、状況は変わります。

これは、平均データは関係なく、あなたはどうですか?となります。ご自身のご家庭で考えてみましょう。

あなたの年金はいくらありますか?

公的年金はいくらあるでしょうか?公的年金とは、国民年金、厚生年金などです。50歳を超えると、ねんきん定期便は年金の見込み額が記載されています。日本年金機構のねんきんネットに登録してあれば、そのサイトで確認できます。マイナンバーカードをお持ちの方はマイナポータルに登録すれば、マイナポータルで確認することができます。配偶者がいらっしゃれば世帯合計でいくらか確認をしてください。

50歳未満で見込み額がわからない方は、会社の先輩に「うちの会社に定年までいると年金はいくらぐらいですかね~」と探りを入れてみてください。自営業の方は国民年金のみなので80万円弱です。国民年金基金など上乗せがあれば計算に入れます。

「悲観的だったけど思ったよりあるなあ」「やっぱり少ない、これではやっていけない」いろいろな思いがあると思いますが、まずは把握することが大切です。

ちなみに私は自営業で基本的に国民年金のみですが、会社員時代もありますのでその期間の厚生年金がプラスされます。定年まで会社員より当然少なくなります。会社員期間が同じ年数でも、給与が違えば社会保険料も違いますので、年金額は異なります。給与がおおければ年金も多くなります。これも当然といえば当然です。

なにはともあれ、年金の見込み額をわかるようにしておきます

あなたは何歳まで仕事をしますか?

年金は65歳から満額支給です。繰り上げ受給で早く受け取り始めることもできるし、仕事をしているのであれば、逆に繰り下げて遅く受け取り始めることもできます。何歳から年金を受給するかを決めるのも、仕事をしているかどうかで大きく変わります。

会社員の場合は何歳まで会社に在籍できるか、自営業の場合は何歳まで仕事をするのか、これを予想しておきたい。会社員の場合は制度の問題で何歳までいられるか?または気持ち的に何歳までいられるか?がポイントになります。自営業者は、仕事内容によりますが、体力的なこと、能力的なこと、それとコンプライアンス的なこと、など心配な面が増えてくるので、総合的に判断したいところです。あるいは、定年退職後キャリアを活かして起業することもできます。

年金をいつから受給するのか、仕事を何歳までするのか、これをセットで考えます。まさしく、「老後とはキャリアプラン」です。

あなたの老後生活はどんなイメージ?

老後生活のイメージはありますか?何をしたいでしょうか?ご夫婦で季節ごとに旅行に行くのも楽しそうですね。趣味の時間を増やしたり、ボランティアに参加したり、楽しいことがたくさんありそうです。そして生活費はどのようになっているでしょうか。

あなたの家計はどのように変化しますか?

ここでは「老後」を収入が年金だけになる状況とします。世帯の年金収入はどうなるのかは前段で確認済みです。それでは支出はいかがでしょうか?住宅ローンは終わっていますか?賃貸の場合、家賃はいくらでしょうか?マイカーローンなど、その他のローン支払いはありますか?食費はどの程度ですか?など、現在と比較して想像してみてください。そうすると、これぐらいは必要だという金額が見えてくると思います。

あなたの年金との差額はいかがでしょう

年金額の見込みを確認し、生活費をイメージしてみました。その差額はどうなりますか?年金の収入の方が生活費の支出より多い場合は、大きな問題なく老後を安心して過ごせます。収入より支出が多くなる場合は、その毎月の赤字になるのはどのくらいでしょうか。毎月3万円不足する、5万円不足するようになりそうだと予想が立てば、老後(年金生活)を30年と考えると、毎月3万円不足だと1080万円、毎月5万円不足だと1800万円が老後までにためておく金額になります。

この言い方だと少々後ろ向きになりそうなので、言い換えます

あなたの理想的な老後生活は毎月いくら必要ですか?その生活費は収入である年金との差額はいくらになりますか?毎月5万円を年金にプラスできれば理想的という計算であれば、老後までに1800万円を準備すればOKとなります。

こちらの言い方が良いですね(笑)

どのくらい、年金に上乗せしましょうか? これが、あなたの必要な老後資金です。

まとめ

老後資金は2000万円が必要だというご家庭、500万円あればそんなに心配がないというご家庭など、さまざまです。平均のデータはあくまで参考にする程度にしておいて、必要以上の心配はせずに、ご自身の場合はどうかという視点で考えましょう。

早めに仕事を辞めたいと考えれば、いわゆる老後は早く始まりますし、できるだけ仕事をしていたいと考えれば、老後は後ろにずれていきます。あなたの老後はキャリアプランと直結します。会社員の場合は退職金も計算に入れておきます。

お子さまがいるかどうかでも状況は異なってきます。一緒に同居するのかどうかもポイントになります。

将来を想像して、計算してみる、これをライフプランニングといいます。ご自身でもできますので、作成してみるとなるほど~と気づくポイントがいろいろあると思います。もし、一人で作成するのが難しい場合は、お声掛けいただくと一緒に作成できます。

ライフプランニングとは

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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