2025年のNISAをどう活用するのが正解なのか

2025年のNISAをどう活用するのが正解なのか
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 新しい年が始まる一月、家計や資産形成の見直しをする絶好のタイミングです。特に、2024年に大きく制度改正が行われたNISA(少額投資非課税制度)は、2025年から本格的に活用したい制度の一つです。NISA制度の改正ポイントを振り返り、2025年からの効果的な活用方法について詳しく解説します。

NISA制度の基本をおさらい

 まず、NISAとは、少額投資を促進するために設けられた非課税制度です。通常、投資から得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を利用することでその税金が非課税になります。日本国内の個人投資家にとって非常にメリットが大きい制度です。

2024年のNISA改正ポイントを確認

 2024年の改正により、NISA制度が大幅にリニューアルされ、利用者にとってさらに使いやすくなりました。主な改正内容を以下にまとめます。

💡 改正ポイント①「恒久化」

 これまでNISAは期間限定の制度でしたが、2024年の改正により恒久化されました。これにより、長期的な資産形成を計画する上で、より安定して活用できるようになりました。

💡 改正ポイント②「 非課税期間の延長」

 運用益非課税で投資をできる期間が「無期限」となり、長期投資をやりやすくなりました。2023年までは、つみたてNISAは20年限度だったのが、終わりを気にする必要がなくなりました。

💡 改正ポイント③「 投資枠の拡大」

 改正後のNISAでは、年間の投資枠が大幅に拡大しました。

  • 成長投資枠:年間240万円
  • つみたて投資枠:年間120万円

併用も可能になり、合計で年間360万円まで非課税で投資が可能になりました。

💡 改正ポイント④「非課税投資限度額の設定」

 非課税での投資度額が1,800万円と定められました。そのうち、成長投資枠での利用は1,200万円が上限です。つみたて投資枠で1800万円を使い切ることはできます。

 年間最大360万円の投資可能額なので、最短で5年で投資枠を使い切ることになります。

2025年から始めるNISA活用のコツ

 2025年からNISAを活用する際、効果的なポイントを押さえることで資産形成を最大化できます。以下に具体的な方法をご紹介します。

💰 コツ1①つみたて投資枠から始める

 初心者には、リスクを分散しながら資産形成ができる「つみたて投資枠」の活用がおすすめです。

  • 対象となるのは、金融庁が認定した低コストで分散投資が可能な投資信託。
  • 長期的な資産形成に適しており、時間を味方にして複利効果を活かすことができます。
  • 投資対象の分散、つみたて投資による時間の分散、地域の分散など考えやすくなります。

💰 コツ2②成長投資枠を活用した戦略

 「成長投資枠」は、個別株やETF(上場投資信託)への投資に向いています。リスクは高いですが、リターンが期待できる分野に資金を配分することでポートフォリオ(投資商品の組み合わせ)を強化できます。

  • 中長期的な成長を見込める銘柄を選ぶ。
  • ETFを活用して、投資をする対象や地域を分散する。
  • 業種や分野など成長が見込まれる特徴的なファンドやETFでリスクを取ってリターンを求める。

💰 コツ③投資枠をフル活用する

 つみたて投資枠と成長投資枠の2種類をフル活用しましょう。年間360万円の投資枠を全額埋めるように投資をしようという意味ではなく、それぞれの枠に着目していきましょうという意味です。

  • つみたて投資枠では、長期積み立てを意識した投資信託を選択します。投資のコアとなる部分です。
  • 成長投資枠では、リターンを求める投資信託、ETF、個別株式への投資を選択します。リスクもあります。

💰 コツ④資産配分を定期的に見直す

 投資状況や市場環境に応じて、ポートフォリオ(投資商品の組み合わせ)を定期的に見直しましょう。見直す場合は、今マイナスなのか、プラスなのか、のそれだけでなく、この先どうなるのかという長期的な視点を持ちます。現時点でマイナスしていても、見通しが明るい業種、地域でしたら、そのまま継続することもあります。

 たとえば、4種類の投資信託を保有しているとして、ひとつは「プラス」、ひとつは「マイナス」、ふたつは「プラスマイナスゼロ」という状況だったとして、マイナスしている投資信託を追加で購入することが見直す方法のひとつです。長期的な視点が必要ですが。

 見直す際は、追加購入だけでなく、売却も検討します。また、資産の構成比率も気にすることができると、もう投資のプロです。

2025年はどこに投資しようかな

アメリカ市場の展望を活かした投資戦略

 2025年のアメリカ市場は、引き続き世界経済をリードする重要な市場となると思います。利上げサイクルの影響や新しいテクノロジー分野への投資が市場の成長を後押しすると予測されています。また、クリーンエネルギーやAI関連銘柄が引き続き市場の中心になる可能性があります。

 NISAを利用してアメリカ市場に投資することは、リスク分散と高リターンを目指す戦略の一環として有効です。特に、米国ETFや成長株への投資は、長期的な資産形成を目指す個人投資家にとって魅力的です。

インドとベトナムへの注目が高まる背景

 2025年に注目すべき市場として、インドとベトナムがエコノミストから評価されてています。これまでも評価されてきましたが、伸び悩みという見方もできる状況です。それでも、投資対象であること思いますので、解説しようと思います。

インド市場の魅力と可能性

 インドは人口増加と都市化の進歩により、経済成長が加速しています。 特にIT、製薬、自動車産業、農業などの分野で世界的なプレゼンスを高めており、長期的な投資として注目しています。

 人口が世界最大、人口の構成も若い世代が多い状況で、就業人口が多くなるのも当然で、AIの専門家や、クラウドの専門家がそれぞれ世界で2位、3位の人数がいます。世界のAI分野をリードする国と考えています。また、国家政策でも、デジタル経済を2026年までに1兆ドルまで引き上げる目標で、インドAIプログラムがスタートしています。

 製薬に関しても、需要は増加する環境ですし、現状でも輸出が強い業種でもあります。将来的には長寿になると考えることができるので、医療分野、製薬分野は成長分野であると考えます。

 参考までに、インドの平均年齢は28.2歳(2023年時点)です。ちなみに日本は48.4歳(2023年)ですから、未来が明るいインドと比較して、日本はある種の絶望感がぬぐえません。

ベトナム市場の発展

 ベトナムは注目される成長市場で、製造業を中心に経済が拡大しています。 特に、アジア地域でのサプライチェーンの中の安心として、外資の流入が続いています。

 市場経済を導入しており、自由に経済活動ができます。人口構成も若く、平均年齢は31歳で、まだまだ成長過程となります。また、社会主義国でもあるため政治は安定しています。

投資のポイント

 インドやベトナム市場への投資は、投資信託やETFで行うのが一般的です。これらの地域に特化したファンドを選ぶことで、成長市場の当面のリスクを分散します。

 NISAでの購入ができる投資信託などもありますから、いろいろと探してみるのも楽しいと思います。インド、ベトナムともに成長する余地はまだまだあります。今までもっと早いペースで成長すると思っていましたが、そこまででもありません。そういう意味でも、これから楽しみな市場だと思います。

まとめ

 2025年は、NISAを活用して資産形成を加速させる絶好のチャンスです。特に、制度改正によって利用しやすくなった点を活かし、計画的に投資をしていきましょう。つみたて投資でコツコツと資産を積み上げながら、成長投資枠を使ってポートフォリオを拡大する戦略を組み合わせることで、より効果的な資産形成が可能になります。

新年のスタートに合わせて、NISA口座の活用計画を立て、2025年を豊かな一年にしましょう!

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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