なぜ?怪しい?マネーセミナーが無料の理由を福井のFPが解説します

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 オンライン、オフラインのどちらもマネーセミナーが増加しています。そんなマネーセミナーですが、「無料」としているものが多い印象があります。なぜ無料なのでしょうか?会場を借りる、広告を打つなど経費が掛かる項目もあります。それでも無料でマネーセミナーを開催するのには、どのような理由があるのでしょうか?福井のFPが解説します。

無料マネーセミナーの種類

 無料で開催しているマネーセミナーには、どのような種類があるでしょうか。無料で開催する目的はなんでしょうか?無料の理由、裏側を解説していきたいと思います。

①商品説明、販売が目的

 無料で開催する目的として、商品の説明と販売があります。主催は、銀行、証券会社、保険会社などがあります。顧客を対象として追加販売するためのこともありますし、見込み客を集めるために開催することがあります。いずれにしても、販売を目的としています。

 私も証券会社の一般向け(事業者向けではない)のマネーセミナーに参加したことがあります。講師は証券会社社員ではなく外部から招聘された金融の専門家(業界でそこそこ名が知れている)でした。その回は、世界の金融情勢、日本の金融情勢、対応策としての金融商品紹介、商品説明という流れでした。私は営業の段階まで進んでいませんが、多くの顧客は詳しい説明を聞いて購入されるのではないでしょうか?もともと顧客ですから、追加の購入をされる人が多いと推測します。

 今は2024年、金融業界に強引なセールスは存在しません。ですが、商品説明に営業がセットになっていますので、ある程度の営業をかけられることは想定内としておくことがよろしいかと思います。

主催者:証券会社、保険会社、銀行

目的:商品説明、販売

②個別相談への誘導が目的

 私の印象、感想でもありますが、現状で一番多く存在しているのは、個別相談誘導型のマネーセミナーではないかと思います。主催者は、FP事務所、保険代理店、保険会社です。また、新聞社、カード会社などが主催や共催していることもあります。

 この手のマネーセミナーは、飲み物付き、ケーキ付などもあります。女性のための・・・という枕詞がついていることもあります。

 最近よくあるパターンとして、NISAやiDeCoなど資産形成をテーマにしたセミナータイトルで、広告、集客をしています。参加者は将来について気にしている人が多いので、マネーセミナーを受講し、一般的な情報を理解したうえで、ご自身のことが気になる人は個別相談を申し込みます。

 しかーし、主催者はFP事務所、保険代理店、保険会社ですから、個別相談の内容は生命保険相談となります。投資、資産形成の話にはなりません。むしろ、その話は出来ません。

 いずれにしても、無料のマネーセミナーで集客して、個別相談につなげたいパターンです。そして、個別相談までたどり着けば、ある程度の割合で生命保険契約になるので採算が取れるのです。

主催者:FP事務所、保険代理店、保険会社

目的:個別相談への誘導

③有料講座への勧誘

 無料のマネーセミナーを入り口として、有料の講座への勧誘があります。有料の講座は、しっかりと構成されているもので、半年、一年などという長期の講座もあります。

 このパターンは、オフラインでのリアル開催もありますが、WEB上で告知して、講座自体もオンラインで完結するものも存在します。むしろオンラインで完結するタイプが多いかもしれません。

 私も有料講座につながる無料セミナーを、いくつか受講したことがあります。オンラインセミナーで、無料講座を申し込むと、いくつかの特典があります。どんな資料かなと興味もあり、申し込みます。無料セミナーは、オーソドックスな内容が多くなりますが、講師によっては言い回しがうまいとか、例えがうまいことはあります。

 無料セミナーの次は、個別説明会です。無料セミナーは多人数を相手に話をするので一般的にとか、このようなことが多いなどという、広く話をすることになります。「じゃあ、私は?」となるので、それは個別説明会となります。そこまで行くと、次は、有料講座に勧誘されます。しかも、なかなかの高額になることがあります。

主催者:講師個人が多い

目的:個別説明会から有料講座へ誘導

マネーセミナーの気を付けるポイント

 マネーセミナーは聞いてみたいけど、怪しいな~とか、行っても大丈夫かなと、心配に思うことがあるかもしれません。その時の気を付けるポイントをお伝えします

主催者は誰?

 そのマネーセミナーの主催者は誰でしょうか?営業会社、自治体、NPO法人などいろいろとあります。

営業会社の場合

 主催者が、保険会社、保険代理店であれば、マネーセミナーが入口だとしても、個別相談からの出口は保険販売になるでしょう。

 銀行や証券会社も同様ですね。広く告知するか、顧客に向けて告知するかの違いはありますが、出口は商品説明であり、販売になるでしょう。

 会場を借りるのに費用は掛かります。広告を出すのも費用は掛かる。飲み物代、ケーキ代もそうですね、費用は発生しています。それを回収するのは、商品の販売による収益です。

 無料マネーセミナーで集客をして、自社の取り扱いの金融商品、生命保険、有料講座を契約していただくことが目的です。保険会社や金融機関が負担した経費を回収するために、販売手数料を計画して販売につなげるように仕事をします。

 生命保険の見直しを検討していた、投資の次の一手を考えていたという人は、ちょうど良かったとなるかもしれません。

 いずれにしても、主催者は販売、営業します。

自治体、NPOの場合

 自治体や行政機関が主催するマネーセミナーもあります。私も所属している、NPO日本ファイナンシャルプランナーズ協会が主催するセミナーもあります。日本銀行の金融広報委員会が主催することもありますね。

 消費者保護、金融リテラシー向上などの目的があり、事業予算を組んでセミナーを開催するので、金融商品、生命保険、有料講座の販売はありません。逆にご法度です。そういう意味では安心して情報収集のために参加することができます。

 このような主催者のマネーセミナーは、講師の自己紹介で所属企業や自社名を名乗りますが、それ以上のことはできません。日本ファイナンシャルプランナーズ協会では、無料個別相談もありますが、むしろ名刺を出すな!と言われるレベルです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?昔から言いますよね、タダより高いものはない・・・主催者が民間企業で無料のマネーセミナーは、費用の回収がついて回るため販売に直結しますので、営業されるの込みで参加するか、強い気持ちを持ってセミナーだけでサッと帰るか、となります。

 どちらにしても、無料マネーセミナーの内容を鵜呑みにしない方が良いと思います。真実はいつもひとつ!かもしれませんが、正解は複数あると思います。それ一択にはなりません。

 まあ、でも、セミナータイトルと主催者がズレていると興ざめすることがありますね。NISA、iDeCoといった資産形成のようなタイトルで、主催者や講師が保険代理店や保険会社だと、しっくりきませんね。セミナー講師側の視点になるかもしれませんが、誰が何のために話をしてるの?と気になります。

 令和6年となり、世の中の流れも変化しているようです。今の時代は「無料」という言葉に踊らされないようにしましょう。人が動けば経費は掛かる、無料はあり得ないと考える方が健全だと思います。

 最後となりますが、ライフスタイルプラスでは初回相談は無料としています(笑)私が無料にしている理由は、お金の相談事はお互いの相性も重要だと考えていまして、それを確認するために時間のコストだけ負担してもらって無料ということにしています。ご安心ください。

 

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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