投資、資産形成に取り組もうと考えるとき、リスクとリターンは気になります。何をどう考えるといいでしょうか?
例えば、「甘い食べ物が好き」とか「辛い食べ物が好き」という好みがあったとして、そればかり食べていていいのか?という話に繋がるような繋がらないような・・・
食べ物も投資も、偏り過ぎると不健康と言えるのではないかと、考えています。
そこで、ミドルリスク・ミドルリターンというと、ハイでもないし、ローでもない、ちょうどいいように感じます。どのようなものか、見てみましょう。
投資に3パターンある
ローリスク・ローリターン
ローリスク・ローリターンとは、元本保証タイプや小さいリスクで小さいリターンを目指すものです。この投資方法を採用するのは、「減らしたくない」という感覚が強めです。
住宅購入資金、大学進学資金など、使いたい時期と準備したい金額がある程度決まっているもので、減らしたくない資金を運用するのは、ローリスク・ローリターンです。
代表的な元本保証タイプは、預金や個人向け国債などです。また、大手優良企業の社債もリスクが小さいと思いますし、債券なので設定されている利率で満期金を受け取ることができます。
2023年の現状では、預金利率が無さ過ぎて運用とは言えず、預金は金融商品のひとつですが金融商品とは言えない状況になっています。
ローリスク・ローリターンの利回りは0.5%~1.5%あたりです。
ハイリスク・ハイリターン
ハイリスク・ハイリターンとは、リスクを大きく取って、大きなリターンを求める投資です。
個別株式、新興国株式ファンドがこの分類になります。他には、仮想通貨、FXなども、ここに入ってきます。
ハイリスク・ハイリターンの投資をする資金は、余剰資金、生活に直結しないボーナスなどを充当してください。投資資金が目減りしても、直接的に生活に影響が出ないような資金でお願いします。
ハイリスク・ハイリターンの利回りは10%以上を目指したいところです。
ミドルリスク・ミドルリターン
ミドルリスク・ミドルリターンとは、リスクをある程度取って、そこそこ大きくリターンを求める投資です。ちょっと先の資金を準備するのに向いています。住宅購入資金でも、割と先の予定でしたら採用できるかもしれません。15年、20年あるとしっかり活用できます。老後資金の準備も良いと思います。
株式ファンド、不動産投資などがミドルリスク・ミドルリターンです。他にも、REIT(上場不動産投資信託)もここです。
ミドルリスク・ミドルリターン投資の利回りは、5%~10%あたりになります。
ミドルリスク・ミドルリターンがお勧め
今の低金利の状況では、ローリスク・ローリターンでは運用利率が低すぎて、なんとも寂しい投資環境です。前段でもお伝えしたように、3年後、5年後のような使いたい時期が近いとか、決まっている資金でなければ、ミドルリスク・ミドルリターンでいきませんか?
ハイリスク・ハイリターンですと、取引のタイミングも重要だったりしますので、普段から気にしておく必要があります。日常生活でなかなかそこまで時間が取れないと思います。そして、ローリスク・ローリターンもやりたくない。そうなると、ミドルリスク・ミドルリターンとなる訳です。
やはり、投資、資産形成の中心は、「株式ファンド」で良いと考えています。株式ファンド(株式を組み合わせた投資信託)は、多くの企業を組み入れているので、そもそもリスクが分散されています。そのうちの1社が倒産したとしても大勢に影響はほぼありません。
どこの国、地域の株式なのか、組み入れてあるのはどのような企業か、ということを精査して決めるのがポイントです。
ポートフォリオを考える
すでにリスクが分散されている投資信託だとしても、その株式の国や地域は偏っています。全米株式、新興国株式、日本株式などがあります。全世界株式という投資信託は、全世界というだけあって、全方位をカバーしています。ただし、60%前後はアメリカ株式です。
そういうことも気にしながら、複数の株式ファンドを組み合わせていきます。
お手本になるか?GPIF
GPIF・・・年金積立金管理運用独立行政法人という機関があります。日本における年金積立金を運用している公的な機関です。
大切な年金積立金を運用しているポートフォリオは、
国内株式(25%)国内債券(25%)国外株式(25%)国外債券(25%)
を、ベースに、それぞれ±7%を範囲として調整しています。
GPIFの運用はうまくいっていまして、過去23年の年率は3・91%です。
この4分割のポートフォリオですと、安定的な運用を目指すことができるようです。
GPIFを超える運用を
年率3.91%のGPIFを超えて、ミドルリスク・ミドルリターン投資にすると、年率5%以上を目指すことになります。
ライフスタイルプラス的には、株式ファンドを中心にポートフォリオを作ります。債券は入れない可能性が高いです。株式ファンドで、どの国にするか、どの地域にするかを相談していくことが多いです。それで、リスクとリターンを気にしながら、組み合わせていきます。ミドルリスク・ミドルリターンのど真ん中の7%~10%前後で考えていくようにします。
ミドルリスク・ミドルリターンをお勧めしますという話です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
絶対に資金を減らしたくないけど、預金はイヤだという人は、ローリスク・ローリターンで考えます。
早めに資金を2倍、3倍にしたいと考える人はハイリスク・ハイリターンで投資をします。ここで無理をすると投機のようになります。これはお勧めしません。
そう考えると、ミドルリスク・ミドルリターン投資が健全のように見えます。リスクを取り過ぎず、リターンを求めるということです。良いように言ってますが、当然リスクはありますので、必ず儲かるとは言えません・・・
それでも、今は、何も投資をしないことがリスクですから、ミドルリスク・ミドルリターンを目指しましょう。新NISAも始まりますから、検討してみませんか?
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております