住宅を購入する場合に、住宅ローンを組む人が多くなると思います。過去にローン支払いで引き落としが出来ずブラックリストに載っていて、住宅ローンが組めないのではないか?と心配される人もいるかもしれません。
過去のローン支払いの滞納などの事故はいつまで影響があるのでしょうか?
ブラックリストとは?
どのような人が、俗にいうブラックリストに載るのでしょうか?クレジットカードやさまざまなローン支払いで継続して遅れてしまうと、借り入れしていた金融機関から「債権回収会社」に債権が移動することになります。そうすると、債権が移動したことを個人信用情報機関に登録されるようになります。このような状況になると、ブラックリストに載ったといわれる状態になります。
個人信用情報機関はいくつかあります。それぞれの信用情報機関の加盟会員で情報の確認ができます。
シー・アイ・シー(CIC)
クレジットや消費者ローンなどに関する信用情報が登録されています。信販会社、流通系クレジット会社、消費者金融会社、携帯電話会社などの加盟会員から登録される情報と独自で収集した情報があります。インターネット・郵送・窓口で情報開示請求ができます(有料)
日本信用情報機構(JICC)
消費者金融会社、金融機関、クレジット会社などで構成されており、過去から現在のクレジットやローン契約について登録されています。支払いの遅延事故だけでなく完済の情報もあります。スマホ・郵送・窓口で情報開示請求ができます(有料)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
銀行、信用金庫、農協等の金融機関から登録された住宅ローンやカードローン、クレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴などの情報があります。スマホ・PC・郵送で情報開示請求ができます(有料)
信用情報とブラックリスト
信用情報機関には、それぞれの加盟会員企業である金融会社の情報が登録されています。クレジットやローン契約など信用取引の情報なので、クリーンなホワイトリストです。
ブラックリストといわれるのは、あくまで金融事故情報です
・2,3カ月以上の延滞(支払い遅延)
・保証債務の履行、代位弁済(保証会社が代わりに支払うこと)
・任意整理
・自己破産
・個人再生
など
問題ありの登録がなされて、ブラックリストといわれるグループに入ります。
内容により5年~10年はブラックリスト入りとなります。
本当に住宅ローンは組めないのか?
住宅ローンは長期間になるため、信用情報は重要視されます。住宅ローンの相談をすると、物件など決まり始めると具体的な金額が出るので、まずは仮審査の申請になります。その申込書には現在の借入情報を記入しますが、ここでごまかすことは得策ではありません。
前段の信用情報機関に照会をかけるので、見逃されることは無いと思った方がいいです。
担当者に事前に話をすることで、解決できることもあります。
自己破産しているなど、そもそもローンを組めない場合もありますが、複数の借り入れがあり金融事故は起こしてなくとも住宅ローンの返済比率に影響が出ることもあります。
正直に言うと、ブラックリスト入りしていると、かなり厳しい戦いになることは間違いありません。
住宅ローン審査に落ちたらどうする
いくつか方法はあります。
- 申し込み金融機関を変更する
- 返済比率を下げる
- 頭金を入れて借入額を少なくする
- 住宅購入を延期する
まず、やってみるのは、金融機関を変更することです。最初から複数の金融機関で申し込みを進めるという方法もあります。審査が通った方で申し込みをすればいいし、複数で審査が通れば条件が良い方で申し込みをするといいと思います。
それでも、住宅ローンが通らない場合は、住宅購入計画を延期する方が良さそうです。時期がくればブラックリストからは外れますから、待つこともいいともいます。
意外な落とし穴でブラックリスト入り
最近よくある金融事故は、携帯電話の引き落としが出来ていないことです。そんなことで?と思われるかもしれませんが、携帯電話の毎月の支払に、本体の分割払いが含まれていることが多くあります。割引にもなるし、一括で支払わなくてもいいから、利用されている人も多いと思います。
携帯電話料金が引き落としできなかったということは、本体のローン支払いが出来なかったと同じ意味になります。金融事故です。
この携帯電話の未払い事故は、金額の割には影響の大きい事故扱いです。注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
ブラックリストという名簿は存在しませんが、金融事故情報が登録されて、住宅ローンに影響があるのは間違いありません。
ブラックリストに載っているかもしれないと心当たりがある場合は、最初から正直に相談することが大切です。そして、複数の金融機関で相談することです。
もし、住宅ローン審査に落ちたら、購入計画を延期したほうが結果的に良いのではないかと思います。無理することはありません。
その時期が来るまでに、家計改善を心掛け、住宅ローンを組んでも老後資金も教育資金もバッチリという体制を整えましょう
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております