ライフプランとは何ですか
人生設計や生涯設計などと言われ、ご自身やご家族の将来を表やグラフで見える化し、資金計画を立てることです。三大資金といわれる「教育資金」「住宅資金」「老後資金」をいつまでにいくら準備する必要があるのかを理解することができます。ライフイベント(ご家族の大きな予定)や将来の希望も取り入れて、このままで実現するのか、あるいは対策が必要なのかを検討する材料にします。将来を考えて、現状を見直すということです。
ライフプランを作成する意味
ライフプランを作成する意味は、将来の資金面について「わからない不安」⇒「わかって安心」にするためのツールです。また、作成したからといって、それに縛られる必要もないです。大事なのは、将来を考えて現状を見直すということです。
ライフイベント(マイホーム購入、お子さまの進学、転職、旅行、海外移住など)を書き出し、収入と支出、現在の貯蓄を入力し、働き方やリタイアする時期などを想像し、心配なこと(進学資金は足りるのか?住宅ローンを組んでも大丈夫か?)を実現可能かどうかを見える化します。
現状のままでライフイベントが問題なく実現することがわかれば安心です。もし、家計が赤字という結果が出たとしても、早いタイミングで問題点がわかると対策ができ安心です。この2点がライフプランを作成する意味です。
FPがライフプランを作成する場合は、現状のまま対策無しパターンと対策ありパターンを作成します。累計赤字になる場合は対策案を提案することになります。
ライフプラン作成にかかる時間
FPのライフプラン相談では、まずヒアリングをします。現状を確認する質問をします。家族について、経済状況について、これからの働き方について、お子さまの進学について、住宅購入についてなど、さまざまなことを質問し、どのような希望があるのかを確認します。そして、心配なことをヒアリングし、初回面談は終了します。
とにかく話を聴くことになります。60分~長いと120分。ここは相談するFPによってやり方は異なります。事前にメールなどで質問シートに回答してもらうことで、面談時間を短縮することもできます。
必要な情報をいただき、ライフプランに落とし込んでいきます。ここは注意して作業します。例えば月々1万円ずれると10年で120万円ずれることになりますので、慎重に取り組みます。ヒアリングした情報で作成するパターン①、対策が必要な場合のパターン②、もしくはパターン③も準備します。あまり資料が増えすぎても受け取る相談者も大変なので、パターン②を準備し③は作成せずにオプションとして説明することもあります。
相談者は2回目の面談時にライフプラン表を受け取ります。FPから説明してもらい、なるほど!となれば終了。修正が必要な場合は内容を確認し、次回に修正プランを受け取ります。ここで、実行支援が必要な場合は対応します。
ここまでの必要日数は、面談のタイミングを合わせる必要がありますので、1週間またはそれ以上になります。
資金計画を立てやすくする
ライフプランを作成し実際に一覧表で確認すると、あらためて気づくこともあります。「子どもの大学が2年重なるんだな、この2年はヤバいな」「75歳まで住宅ローンがあると、老後破綻だな」というようなことが確認できます。
〇〇年後に大学進学、〇〇年後に住宅購入する、退職時に〇〇万円必要だな、といろいろと心配事が出てきます。このことが確認できると、目標設定ができますので対策方法を検討しやすくなります。
教育資金
お子さまの今の年齢から〇年後に高校3年生で受験するという予定ができます。大学進学するかどうかは別として進学資金の準備はする方が良いです。学歴偏重の世の中への批判や、世間に出たら学歴より人間力だという主張も、この際横に置いておいて、進学資金の準備は進めましょう。どのような教育プランにするかで準備する金額も変わります。あくまで予想、希望によりプランを作成します。ここで、15年後に500万円を教育資金として準備したい、300万円を準備したいと、ご自身の目標を決めます。児童手当も含めて資金計画しましょう
住宅購入資金
購入か賃貸かを検討し、購入と決めれば資金の準備です。頭金をどうするか、諸費用の準備も含めて検討します。毎月の支払い負担は適正か、退職時期とローン終了はどのようになるのか、固定金利か変動金利か、いくつか検討ポイントはありますので、ひとつづつクリアしていきます。重要なポイントは、家族の幸せを実現するためのマイホーム購入により、ローンの支払いに追われて日々の生活が苦しくなることを避けることです。「借り入れ可能額」と「返済可能額」は違いますから、収支のバランスと累計の資産額をキャッシュフロー表で確認する必要があります。
老後資金
2019年の老後資金が2000万円不足するという情報で、多くの皆さまが老後の生活に注目するようになりました。本当に2000万円不足するのでしょうか。統計上のデータは、あくまで注意喚起だと考えて、ご自身のご家庭を考えましょう。まとまった金額ではわかりにくいかもしれませんので、毎月の生活費で考えてみましょう。ねんきん定期便でご自身の年金額が推測できます。配偶者がいれば、お二人でどの程度の年金額になるか確認してみましょう。そのうえで、老後の生活を予測します。例えば、年金が二人で月に20万円、生活費が25万円と考えた場合、65歳から90歳までの25年間を考えると、毎月5万円不足、年間で60万円、25年で1500万円が不足すると予想されます。ここに介護費用の見積もりを計算しておきたいところです。このように予想をしながら考えていきます。予想金額が出たら、その準備ができるかどうかを検討します。
まとめ
ライフプランニングの相談ですべてが解決するとは思いませんが、解決する方法を探すことはできるし、目標を具体的に設定することで、できることはたくさんあると思います。私がライフプラン相談で心掛けているのは、何でも節約して、制限しようと言いたくないということ。ご家族の希望をどうやって実現するかを一緒に考えていきたいと思います。
ライフプラン表は、あくまでもツールです。ライフプラン表を作成し、キャッシュフロー表を確認することで、現状を確認し見直すことが大切です。相談者のご家庭のお金に関する悩みや課題だと思っていることの解決策を提案することがファイナンシャルプランナーの仕事です。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております