投資資産がマイナスになった、どう対応するのが正解なのか

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 2024年になりNISAが改正され、投資の世界へ足を踏み入れた人も多いと思います。インターネット上でも、動画サイトでも、投資に関する情報が多くみられるようになっています。投資に関する情報を少し見始めると、そればかりがお勧めに出てくるのも良い面悪い面ありますね。

 投資は資産がプラスにもなるし、マイナスにもなります。始めるときはマイナスになる可能性があると思っていても、実際にマイナスになると凹みます。損失がでることを受け入れられなくて投資の世界から撤退する人もいるかもしれません。

 そんな投資の世界において、マイナスになる可能性とどのように付き合っていくのか、考えてみたいと思います。

投資信託の確認

 NISAで投資を始めている人は、投資信託を購入されている人が多いと推測します。私の周辺では投資デビューするのに、個別株で始める人より、投資信託を購入する人が断然多い印象です。

 今回は投資信託について考えてみたいと思います。そのマイナスになった投資信託は、どのような株式、債券で構成されているでしょうか。またはどの国、どの地域の投資信託でしょうか。まずは、この辺りを確認します。

 または、どのような分野の株式で構成しているか、ということもあります。業種など絞った特徴的な投資信託もあります。

 情報に流されて投資信託を購入した人も、ご自身で調べて検討して購入された人も、今一度どのような投資信託を購入したのか、この際に確認しておきましょう。

マイナスの要因は?

 現状マイナスになっている要因は何か調べてみましょう。その国の政治的な情勢なのか、地政学上の問題なのか、為替の問題なのか、経済市場の問題か、その業種がイマイチなのか、まずは情報を集めて、マイナス要因を検討します。

 検討したマイナス要因が、一ヶ月後か一年後か、数年後かはともかく、将来的に解消されてプラスになっていくのかどうかを考えてみます。少々時間はかかったとしても、マイナスは解消されてプラスになるかもと思えれば、問題ありません。

含み損は放置!?

 これまで、〇〇ショックによる相場の下落は何度もありました。そのたびに回復し、世界経済は成長しています。

 10万円で購入した投資信託が9万円になっているとしたら、評価がマイナス1万円という状況です。ここで売却すると、マイナス1万円が確定します。つまり、マイナスの評価になっていても売却しなければ、損が確定しないということです。この状態を含み損といいます。

 先ほどお伝えした通り、将来的にプラスに転じると考えられるとしたら「含み損は放置」という答えになります。

マイナスは取り返せるか?

 現状のマイナスを取り返すことを考えてみます。投資額10万円が9万円の評価になり1万円のマイナスになっている、つまり10%マイナスしている状況です。10%のマイナスは、10%プラスにしても戻らないのです。9万円の10%プラスは9万9千円です。50%マイナスして半分の5万円になったら、倍(プラス100%)にしないと戻らない、50%プラスにしても7万5千円にしか到達しないのです。

 そこで、マイナスになった場合によく言われることとして、「追加投資」があります。下落して安くなった時に追加で購入するのです。そうすることで、投資信託の購入平均単価を下げる効果があります。

こうすることで、10万円に戻らなくとも、7万5千円に戻れば、マイナスは解消することとなります。

つまりマイナスしないのか?

 含み損は放置、もしくは追加投資で、マイナスが消えていくのか?本当ですか?ということになりますよね。最終的にマイナスしないんですね?と。

 ここで、はっきりさせましょう!「必ずマイナスは解消します!」・・・「必ず」とは言えません、「ほぼ解消します」ですね、すみません、逃げ道を設置させてください(笑)

 今日、明日の一時的なマイナスはあります。重要なのは投資を長期で考えることができるかどうかです。今日のマイナスに耐えられない人は、リスク許容度が低めなので、投資から撤退した方が心穏やかに過ごせると思います。もしくは、リスクは取りたくないけど、普通預金、定期預金だけではイヤで、投資はしていきたいと考える人は、債券投資が良いと思います。当然、債券投資の中でもきちんと選択することが重要です。

投資のマイナス対策は

 マイナス対策として、事前にしておくポイントがあります。①投資した資産が、マイナス評価で目減りすることはあると理解すること。②マイナスしてもビビらないような長期での投資を見据えた投資信託を選択すること。③分散すること。この3点が重要ポイントです。

 ライフスタイルプラスが相談をお受けするときは、長期での投資を念頭に相談しています。リスクとリターンのバランスを考えるゴールベースプランニングという視点です。「どれが儲かるの?」という相談は失敗しやすいと考えています。リスクとリターンを意識することで、今日のマイナスにビビらずに、長期で保有することができると考えています。

 コレ一択!みたいな購入はせずに、複数の投資信託に分散します。分散投資も注意が必要です。複数保有することと分散することは、意味合いが違います。

 全世界株式インデックスファンド、全米株式インデックスファンドの2つを購入したとしても、分散投資とは言えません。全世界株式インデックスファンドの約60%は、全米株式で構成されているからです。この2本の投資信託を10万円ずつ購入すると、8割の16万円分が全米株式となります。分散しているつもりで分散できていない典型的な事例です。3本目にS&P500のインデックスファンドを購入したら、分散どころかアメリカ株式比率が高くなるだけとなります。

 行き当たりばったりでなく、ポートフォリオを考えて購入することが、最大の「投資のマイナス対策」となると考えています。※ポートフォリオとは、投資商品の組み合わせです。

まとめ

 いかがでしたか、投資の世界にはマイナスの可能性はあります。購入した投資信託、株式、金融商品がずっと上昇することは考えられません。

 2024年7月、ドル円の為替レートが円高になり、投資においてマイナスの要因となる面もあります。ただ、それまでは調子が良かったので、含み益が目減りしたけどプラスはキープしているという人も多いと思います。これから先をどう見るか、アメリカの大統領選も影響します。注視していきましょう。

 現状マイナスだったとしても、即売却で撤退はちょっと待て!と言いたいです。担当者に相談してみてください。ネット証券で個人で投資している人は情報を集めて精査してみましょう。

 私の仕事としては、マイナスの状況でも投資を継続していけるように声掛けをすることだと考えています。無理やり継続するという意味ではありません。

 ライフスタイルプラスでは、オンライン相談も対応できます。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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