新NISAで貯蓄から投資へが加速、2025年は資産形成が必須の時代へ

新NISAで貯蓄から投資へが加速、2025年は資産形成が必須の時代へ
この記事はだいたい 5 分前後で読めます。

 資産形成に興味があっても、なかなかスタートできない人もいらっしゃると思います。「将来のことなんて、まだ考えたくない」「少額投資じゃ意味がない」そう思っていませんか?

 しかし、経済状況やライフステージの変化は、誰もが経験するものです。老後資金の準備はもちろん、子どもの教育資金、マイホームの購入など、お金が必要となる場面は数多くあります。

 そして、新NISAが始まったことで、投資に関する情報を目にする機会も増加しました。「貯蓄から投資へ」の流れは完全に出来上がっています。投資信託の保有残高は、2024年10月で約238兆円となっています。2023年10月は約184兆円でしたから、1年で約3割ほど増加しています。

 2025年、資産形成は必須となります。これからどうしていくのが良いのか、考えてみたいと思います。

なぜ、資産形成が重要だと言えるのか

 私たちは目まぐるしく変化する経済状況と社会情勢の中で生きています。少子高齢化の加速、物価の上昇、そして低金利が常態化する中、個人で経済的な備えをしておくことは、かつてないほど重要となっています

高齢化による収入減少への備え

 高齢化が進み平均寿命が延びることで、いわゆる老後となる期間が長くなります。現役時代と同じような収入にはなりませんから、生活が変わります。老齢年金の受給額によって必要資金額は異なりますが、老後資金を準備しておく必要があります。公的年金制度も不透明な部分があり、自分自身で準備することが求められます。

 資産形成は、長寿化に対応できる老後資金準備の第一歩となります。

物価上昇への対応

 物価は常に変動するものですが、近年はインフレ傾向にあります。食料品やエネルギー価格は上昇しており、家計を圧迫しています。何も手を打たないと生活水準が低下するかもしれません。

 資産形成は、物価上昇の影響を緩和させることに繋がります。

低金利時代への対応

 低金利が長引くことで、預金だけでは十分な利子が得られなくなり、お金が増えないという状況が続いています。これから金利が上がっていくと思いますが、預金金利が3%、4%となるには相当な時間がかかると思いますし、なるかどうかも分かりません。低金利の状態と物価上昇を考えると、実質的に資産は目減りしていくと言えます。

 資産形成は、低金利時代に資産を増やすための有効な手段の一つです。

ライフイベントへの備え

 将来に起こるイベント、子どもの進学、住宅購入、リフォームなど、人生において支出が伴う家族のイベントがあります。貯蓄だけでは追い付かない可能性がありますから、資産形成に取り組む必要があります。ただ、リスクを取り過ぎて、予算が確保できないのではやらない方がマシです。適切に検討することが重要です。

 資産形成は、リスク管理とともに貯蓄の後押しになります。

2024年のNISA改正について確認

 貯蓄から投資への流れの契機になったNISA改正。2024年から始まった新NISAは1年が経過しました。投資残高も増加し、各証券会社では口座開設数も拡大しています。

NISAが変わる!2024年からの改正ポイントを解説します

 制度の恒久化、投資枠の拡大、無期限ということで、多くの人が参戦しました。つみたて投資はタイミングをあまり選ばない面がありますが、一時金で投資をするとタイミングの影響を受けることがあります。マイナスでもプラスでも。

 制度についても理解をしておく方が良いです。NISAはあくまでも運用益が非課税となる制度であり、NISAが原因でマイナスになる、プラスになるという訳ではありません。それは、投資した金融商品の結果です。

従来の資産形成とこれからのアプローチの違いは?

 ここのところ変わってきていますが、従来の資産形成の考え方は、次の通りです

従来の資産形成

●預貯金が中心:とりあえず貯蓄しようという感覚です。日本の資産構成は現金・預金で50%以上を占めています。ちなみにアメリカは13%程度です。

●長期安定志向:長期的な視点で、安定性を重視する傾向にありました。

●リスク回避:元本保証の商品を選択するなど、リスクを極力避ける傾向にあります。

●個人で投資:投資は個人でするもので、専門家のサポートはあまり利用されていません。

これからのアプローチ

●多様化する投資先:預貯金だけでなく、株式・債券・投資信託・不動産など分散投資することが重要視されています。

●アクティブな運用:経済状況や市場の変化に応じて、投資内容を見直すことが求められています。

●長期、短期運用のバランス:長期的な視点で資産形成に取り組みつつ、短期目標にも合わせていくことを視野に入れる。

●リスク管理:リスクを回避することは不可能なので、リスク許容度を理解し適切な投資を継続する。

●専門家との連携:金融商品や市場に対応するため、FPやIFAなどの専門家と連携することも重要ポイントです。

●社会とのつながり:ESG投資(環境や社会などを考慮した投資)など、社会貢献と資産形成を両立する考え方が広がっています

まとめます

項目従来の資産形成これからのアプローチ
投資対象預貯金株式・債券投資信託など多様化
運用スタイル長期安定志向アクティブな運用
リスクリスク回避リスク管理
専門家との連携少ない重要
社会とのつながり小さいESG投資が社会貢献に

 なぜ、これからのアプローチが必要なのかを解説します。

 まずは低金利が継続中であること。将来的に金利上昇はありますが、いまのところは継続中です。預貯金ではリターンを期待することはできませんから、より高いリターンを求める投資が必要になっています。

 2つ目、長生きによる老後資金の増大があります。貯蓄だけでなく資産形成に取り組まないと間に合わないかもしれないという不安があります。そこで、早期の老後資金への対策として資産形成があります。

 3つ目、インフレ傾向が続いていること。物価の上昇によって貨幣価値が下がるため、資産を増やしていくことが重要です。

 4つ目、世界経済の変動が影響すること。経済がグローバル化しており、世界が個人に影響する事態になっています。

まとめると、これからのアプローチとしては、より積極的に、より多様化させるようにしていく必要があります。NISAを活用するのもリスク管理をしつつリターンを求めることがポイントです。多くの情報があふれるほど存在します。ご自身で情報収集し、判断できます。もし、心配であるようでしたらFPやIFA、投資顧問業といった専門家に相談できると良いと思います。ただし、FPは資産形成の相談において、得意不得意が分かれますから注意が必要です。

まとめ

 これからのアプローチということで、資産形成の重要性をお伝えしました。資産形成はもはや選択ではなく必須です。最初の一歩は小さくて大丈夫です。少額での積立からスタートしましょう。証券会社を選ぶところから心配かもしれませんが、そこは専門家の意見を聞いてみるのもおススメです。ネット証券を活用する場合はスマホで完結しますから、口座開設まであまりストレスありません。

 資産形成は、資産を増やすことが目的ではなく、豊かな人生を送るための手段です。将来の資金の心配を無くすためにも資産形成に取り組んでいきましょう。

 最後にもう一度、大事なことなのでお伝えします。

 人生100年時代と言われる今、資産形成はもはや選択ではなく必須です。あなたも、資産形成を通じて、より豊かな未来を築きましょう。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

TOPへ