相続対策の選択肢に「家族信託」が入ると、どのようになるでしょうか?
家族信託を選択肢とするニーズはいくつかあります。
- 両親の資産管理をしていきたい
- 資産の行き先を生前のうちに決めたい
- 認知症対策をしたい
代表的なものを紹介しました。ご家庭によっては他にもあると思います。
家族信託の信託契約書を作成し、相続対策、認知症対策に取り組みましょうと決めた時の、最初のハードルが信託口口座の開設です。
信託口口座とは
「しんたくぐちこうざ」と読みます。
信託口口座は、信託契約に基づき受託者(子)が委託者(親)から信託された金銭を管理するための口座であり、親が認知症になった場合でも口座は凍結せず、受託者(子)の判断で口座内の親の資産を活用することができます。
信託口口座の開設手順
信託口口座を開設するときはどのような手順になるでしょうか
- 家族信託の信託契約書の作成
- 金融機関へ相談
- 信託契約書の公正証書化
- 信託口口座の開設
おおまかに、このような流れになります。
金融機関によりますが、2ヵ月程度かかりそうです。
信託契約書の作成
ここが大切です。
信託契約書は司法書士の先生が作成しますが、その前にどの資産を誰に託すかを検討しないといけません。
相続が発生する前に遺産を振り分けることになります。家族間でトラブルにならないよう配慮も必要です。親が生きている間に決めることができるので、亡くなった後の揉め事を未然に防ぐこともできそうです。
金融機関へ相談
信託契約書に不都合な部分が無いかを精査します。もし、修正が必要であれば、このタイミングで行います。
遺産の振り分けにも影響が出るかもしれませんので、あらためて家族会議となるかもしれません。
信託契約書の公正証書化
これで決定となれば、信託契約書を公正証書にします。
公正証書とは、公証人法に基づき公証人が作成する公文書で、証明力、執行力があります。
ここまで整えば、あとは口座開設となります。
ハードル高い 口座開設
この口座は信託銀行で開設をしますが、預かり資産が3000万円以上という下限が金融機関によっては設定されていることもあり、なかなか簡単ではないようです。
信託銀行以外でも開設できる銀行は増えてきていますが、全国どこでもどの銀行でもOKとはなっていません。
近所の銀行で、普通口座を開設するようにはいきません。
また、口座開設時に聞き取りもしっかりされます。そのうえで銀行が判断するので、希望者の全員が開設できるとも限りません。
地方銀行では、専門的な行員が配置されていない可能性もあり、積極的に対応できていないかもしれません。
信託口口座のハードルを下げる方法
既に設定されている高いハードルを下げることはできません。
もともとハードルが低い金融機関を探すしかありません。
あとは、ご自身で探してください・・・では、少々さみしいですね。
ここで、具体的な金融機関をお伝えするのもどうかと思いますので、私はその答えを持っているとだけお伝えします。
高いハードルだと感じる、預かり資産が3000万円以上とういう条件が無くて、このハードルがものすごく低い金融機関があるのです。
まとめ
今回は、信託口口座について解説をしていきました。
これからの相続対策、認知症対策に「家族信託」は選択肢のひとつに必ずなります。
そして、かなり有効な手法になります。
あなたのご家族の形に合う信託のあり方を考えてみる機会を作ってください。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております