「うちは大丈夫」こんな話を聞いたことはありませんか?相続の話題になると、このような会話があります。
「家族だから話し合えば解決する」という気持ちは理解できます。私の家族もそうだと思っています。ただ、相続トラブルは、他人事のように思えますが、実はとても身近な問題です。
相続は「感情」が絡む問題です。揉めないと考えていても、揉める種は数多くちりばめられているのが相続問題です。「争族」という言葉もあるぐらいです。
争族のような悲しい事態を防ぐために、「家系図」を作ることをお勧めします。
家系図は「財産」ではなく「想い」を整理するもの
家系図と聞いて、「そんなもの必要ないでしょ」と思う方もいるかもしれません。もし、家系図を作ることで、相続のもめごとを未然に防ぐことができるとしたら、どうでしょうか。
家系図がないと、相続はどうなる?
相続トラブルが発生する要因のひとつに、「誰が相続人なのか、不明確」というケースがあります。
「そんな人が相続人になるなんて知らなかった!」ということもあるようです。いざ手続きを進めようとすると、親の兄弟やその子どもまで関係する可能性もあり、思っているより複雑になるケースもあります。
家系図を作成しておくと、以下のようなことが明確になります。
✅相続人の範囲が分かる
✅疎遠になっている親戚も分かる
✅相続権のある人、ない人が分かる
とりあえず、手続きを進めようと考えていても、戸籍を取り寄せるにも時間がかかり、相続手続きが何年も終わらないケースもあるようです。
家系図があれば、万が一の事態を防ぐことができます。事前に整理しておけば、誰が相続するのか一目で分かり、手続きがスムーズに進みます。
想いを整理する
家系図を作成することで、関係者が理解できます。親戚の一覧表を見ながら、「この人とは、いつ会ったかな?」「最近、食事とかしてたかな?」など考えてみると、付き合いの距離感も分かってきます。
「〇〇年前は、こんなことがあったな」とか、「今は疎遠だけど、あの頃は援助を受けてたよな」とか、思い出すこともあるでしょう。
そういうことを整理していくと、遺言書を作成するときにも参考になるのではないでしょうか?
家系図が「相続トラブル」を防ぐ3つの理由
①相続人を明確にする
「自分が相続できると思っていたのに…」そんなことから、トラブルが起こります。そもそも、あなたに権利はありませんよということをハッキリさせておきます。相続人になる人、ならない人が明確になります。
家系図を作成し、家族で共有することで、相続の範囲を明確にできます。
②事前に家族で話すきっかけになる
相続の話は、家族でもなかなか切り出しにくいもの。でも、家系図を作る過程で、自然と家族や親せきについて話す機会が生まれます。
「最近会ってないけど、元気かな」
「ウチの家系って、どんな繋がりなの?」
「お父さんの財産はどうするの?」
家系図を見ながらの雑談で、相続のトラブルを阻止することができます。
③遺言書や家族信託と組み合わせれば、より安心
家系図と一緒に、遺言書や家族信託の準備を検討することで、相続対策がより確実になります。
「誰に何を相続させるのか」を明確にし、家族が安心して財産を受け継ぐことができるのです。家系図を見ながら、子ども達で仲良く等分するのか、役割を踏まえて「実家は長男」「預金は次男」ということもあるかもしれません。
家系図を中心に置いて、家族で相続について会話をすることで、親の想いを共有し遺言書に記すと、トラブルからは離れていきます。
相続発生の前段階として、認知症の心配もあります。その対策として、家族信託が有効です。家族で会話ができているタイミングで検討できると安心です。
ライフスタイルプラスでは、福井県家族信託協会として取り組んでおります。
家系図を作るなら専門家に相談しよう
家系図は自分で作成することもできますが、相続に活用するつもりでしたら、専門家に相談するのがおススメです。特に、戸籍を遡って正式な家系図を作成する場合、行政書士や司法書士などの専門家に依頼する場合は正確でスムーズです。
また、いきなり士業の先生に相談することがハードル高いと感じるようでしたら、ファイナンシャルプランナーもおススメです。ただし、知識があるファイナンシャルプランナーにしてください。例えば私福田とか。
相続トラブルを防ぐためにも、早めに家系図を作成し、家族で共有しておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私は家族信託の相談や手続きをしていることから、相続相談も何度か経験しています。その中で思うのは、「家族全員が仲が良い」とは限らないということ。子どもが3人いて(全員結婚して別世帯)、あいつは話し合いに入れたくないと言われたこともあります。できれば、そえは避けたいのです。
相続で揉めて裁判に・・・ということもありますが、そうなったら法定相続での遺産分割となる可能性が高いです。そうならないためにも、遺産分割で配分に傾斜をつけるためには、相続の家族会議を開く必要があります。
そのときに、家系図を中心に置いて話をすると、思い出話に交えて、相続の相談ができるのではないでしょうか。
Wrote this article この記事を書いた人
福田 智司
▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております