全世界株式インデックスファンドって、どういうものですか?

全世界株式インデックスファンドって、どういうものですか?
この記事はだいたい 4 分前後で読めます。

ここ最近話題になっている「全世界株式インデックスファンド」

これまでは「S&P500インデックスファンド」が最強!これ一択!のような情報が多かったように思いますので、少々流れが変わってくるのかもと感じております。

そんな全世界株式インデックスファンドですが、どういうものなんでしょうか?順番に解説していきたいと思います。

全世界株式インデックスファンドの概要

 全世界株式インデックスファンドは、世界中の株式市場に分散投資する投資信託のひとつです。具体的には、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスやFTSEグローバル・オール・キャップ・インデックスなどの指数(インデックス)に連動する投資成果を目指します。これらの指数(インデックス)をベンチマーク(基準)として、運用していきます。

 これらの指数(インデックス)は、世界中の株式市場をカバーする指数であり、各国の株式の市場規模や時価総額に基づいて、構成銘柄や比率が決められています。加重平均といい、大きな株式市場の比率が高くなり、小さな株式市場の比率は低くなるということです。

 そのため、全世界株式インデックスファンドに投資することで、世界中の株式市場の動きと連動した運用成果を得ることができます。

全世界株式インデックスファンドのメリット

全世界株式インデックスファンドのメリットは、以下のとおりです。

  • 分散投資によるリスク分散

全世界株式インデックスファンドは、世界中の株式市場に分散投資するため、特定の国の株式市場や特定の銘柄の値動きに依存するリスクを分散することができます。現在はアメリカの株式市場が大きいですし、力強く世界経済をけん引していますが、アメリカの経済が弱くなる場面があっても、他地域の比率が高くなり全体をカバーすることになり、分散効果を発揮します。

  • 低コスト

全世界株式インデックスファンドの運用管理費用は、一般的にアクティブファンドよりも低い傾向にあります。そのため、運用コストを抑えながら、資産運用を行うことができます。アクティブファンドとは、ファンドマネージャーがそのファンド(投資信託)に組み込む企業を調査、精査して決めるため、コストが高くなる傾向があります。その分、インデックスファンドのコストが比較的低くなるということです。

  • 長期的な資産形成に適している

全世界株式インデックスファンドは、過去の実績から、長期的な資産形成に適していることがわかっています。世界の人口は拡大しており、世界経済も拡大しています。これまで経済力が小さかった国や地域も、各国からの支援もあり発展していくと予想されます。すると、世界における経済規模、株式市場規模の構成比率が変わっていく可能性がありますが、世界全体としては拡大していくと予想できます。つまり、長期的な資産形成に適していると言えます。

全世界株式インデックスファンドの注意点

全世界株式インデックスファンドの注意点は、以下のとおりです。

  • 株式市場の値動きの影響を受ける

全世界株式インデックスファンドは、株式市場の値動きの影響を受けるため、短期的には損失を出す可能性もあります。世界を巻き込む〇〇ショックのような事態が発生するとマイナスになる可能性が当然あります。

  • アメリカの株式市場が中心である

全世界株式インデックスファンドといっても、やはり世界ではアメリカ株式市場が中心となっています。構成比率を見ると、およそ60%となっています。全世界株式に分散投資をしているといいながら約60%がアメリカに偏っています。ここは意識しておく必要があります。

全世界株式インデックスファンドを買えばすべてOKか?

 全世界株式インデックスファンドがとてもよく見える人も多くいると思います。ライフスタイルプラス的にも購入をお勧めできます。お勧めできますが、「これ一本だけ」はお勧めしておりません。

 ここから先の話は個別案件になりますので控えますが、全世界株式インデックスファンドを資産形成のベースにして複数の投資信託で、あなたのポートフォリオを作ってほしいと思います。

S&P500も一緒に購入する

 全世界株式インデックスファンドがもてはやされる前は、S&P500インデックスファンドが「最強」のような情報が多くありました。今でも強いのは間違いありません。

 ただし、強いとされる2つのファンドを同時保有するのは、あまりお勧めしておりません。なぜなら、全世界株式インデックスファンドの約60%はアメリカの株式市場であり、そのアメリカ株式市場の約80%と言われる500社がS&P500となっているからです。

 つまり、全世界株式インデックスファンドの約50%がS&P500インデックスファンドということになります。この2つのファンドを購入しても分散投資とは言えません。

まとめ

 全世界株式インデックスファンドは、資産形成に取り入れやすい投資信託です。分散投資によるリスク分散や低コスト、長期的な資産形成への適性など、さまざまなメリットがあります。

 全世界株式インデックスファンドに投資する際には、これらのメリットと注意点を理解した上で、慎重に判断するようにしましょう。

 全世界株式インデックスファンドをベースにいくつかのファンドを組み合わせることをお勧めします。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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