あなたは大丈夫?企業型DCを放置するとヤバいです。福井のFPが解説

この記事はだいたい 4 分前後で読めます。

 企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)を採用している企業は、大企業だけでなく中小企業にも増加しています。これからも、加入者は増加していくと予想しています。

 企業型DCは、企業が従業員に私的年金制度を提供するものです。従業員は、企業の掛金に加えて、自分自身も掛金を拠出することができます。拠出した掛金は、金融機関で投資信託や預貯金などの金融商品に運用されます。

 また、企業型DCは退職金とも言えます。従来の退職金制度は、企業が従業員の退職後の生活を保障するために、企業の責任で運用・支払いを行うものでした。一方、企業型DCは、企業が掛金を拠出しますが、運用・支払いは従業員の自己責任です。

 福利厚生制度として採用している企業と、退職金として採用している企業があります。今回は、退職金制度として企業型DCが採用されている企業に勤務している従業員の皆さまにお伝えしたい内容となっています。

企業型DCの状況

 さて、企業型DCは現在、どのような状況なのでしょうか?確認してみましょう。

※運営管理機関連絡協議会 確定拠出年金統計資料より抜粋

 過去5年分のデータですが、導入している事業所数は毎年増加しており、2022年から2023年で約4500事業所が増えています。

 加入者数は800万人を超えており、これからも増加傾向にあります。事業所数は増加していますが、1事業所当たりの加入者数は減少しており、大企業から始まった企業型DCが中小企業にも広がっていることが読み取れます。

あなたの現状は?

 企業型DCを導入している企業に勤務されている皆さまは、現状どのようになっているのか把握されているでしょうか?

 毎月の掛け金がいくらで、累計の掛け金はいくらで、現時点で利益が出ているのか損が出ているのか、資産額はいくらになっているのか、確認してください。個人にIDとパスワードが設定されていると思いますので、まずは現状把握をしましょう。ログインできるのか心配ですが。

 次に、購入している投資信託を確認しましょう。何を購入しているでしょうか?まったく意識してなかった結果、利益が出ていればラッキーですが、知らないうちに損が出ていると残念ですよね。

 成績の悪い通知表を見る訳ではないのですから、まずは現状の確認をしましょう。

これはヤバいです

 ヤバいのは、ほったらかし過ぎです。

 基本はほったらかしでOKなのですが、最初から興味が無さ過ぎてほったらかしにしてあると、初期設定によくある「定期預金」を購入している場合があり、そんなほったらかしはNGです。ヤバいです。

 そんな初期設定では、機会の損失が大き過ぎます。運用益非課税である企業型DCを使って、利益が出ない預金に資金を投入するとか、機会損失が過ぎるでしょう。

金利「0」の預金が良いのか、他の投資信託が良いのか、きちんと決めましょう。15年後、20年後、30年後と、複利効果もあって思っているより差が付きます。

ちなみにアメリカでは・・・

 投資先進国のアメリカでは401Kという名称で、企業型DCのような仕組みが活用されています。投資先進国といいましたが、投資をしている人口が多いのは会社員が401Kで投資をしているからだというデータがあります。そして、投資している金融商品の資産額が日本より断然多いのは、初期設定の金融商品が「預金」ではなく「バランスファンド」が多いことも影響しています。

企業型DCをフル活用するには

 企業型DCをしっかり活用するには、どのような投資信託を購入するかが最重要です。あなたの会社がどこの金融機関と契約しているかで商品ラインナップが異なります。商品数が多い少ない、選択の幅が広い狭い、欲しいものがあるない、いろいろあります。

 その中で選択するのですが、どの地域を買うかを考えます。世界、アメリカ、日本、これくらいの選択肢はあると思います。そして、株式か債券か。

 株式で世界またはアメリカでよろしいかと考えます。

フル活用の次の一手はあるか

 ひとまず、投資信託をひとつ選択してからの次の一手を検討したいと思います。ここで、問題になるのは、あなたの会社の企業型DCの商品ラインナップです。先ほども少し触れましたが、ここから選択するのはツラいなと感じることもあります。

 そういう場合にお伝えしていることがあります。「企業型DCはそんなもんとして、iDeCoやりましょう」です。ここでも問題になるのは商品ラインナップですから、iDeCoも金融機関選びが重要です。「とりあえずここでいいわ」といって近所の銀行という選び方はやめてください。マジで。

 そういう意味では、企業型DCのフル活用は限界があるのでiDeCo併用でいきましょうが正解と言えそうです。

 まとめ

いかがでしたでしょうか?ほったらかしOKといっても、ほったらかし過ぎはNGです。

 企業型DCは良い制度だと思います。掛け金は課税後の手取りからではありません。運用益は非課税です。受け取り時も税制優遇があります。これだけの制度はしっかり活用していきましょう。

 企業によっては「選択制」で、掛け金を拠出するかどうか、掛け金の金額をどうするかを選択できるようになっていることがあります。こちらも積極的に活用していくことをお勧めします。

 企業型DCについて「よく分からないから、誰かに説明してほしい」と思いましたら、会社の総務にライフスタイルプラスの福田を推薦してください、しっかりさせていただきます。

 最後は営業的になってしまいました、失礼しました(笑)

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

TOPへ
モバイルバージョンを終了