債券投資は「あり」か「なし」か 債券について福井のFPが解説します

債券投資は「あり」か「なし」か 債券について福井のFPが解説します
この記事はだいたい 5 分前後で読めます。

 資産形成の重要な柱である債券投資について、解説していきたいと思います。債券投資は、リスクを抑えながら安定した利回りを期待できる魅力的な投資方法です。

 新NISAが始まったことで投資に関する情報が多く出ていると思います。私が見ている中では、債券投資についての解説は少ないと思います。なぜなら、NISA枠で購入できないから・・・そりゃそうだということですね。

 念のためお伝えしておくと、債券に投資する投資信託はNISAで購入できますので、ご安心を。

そんな債券投資について解説をしていきますが、最後にNISAでの投資との兼ね合いも解説していきます。

債券投資とは?

 債券投資とは、企業や政府が発行する債券を購入することで、将来の利息収入を得る投資方法です。債券投資にあまり馴染みがない人でも「国債」は聞いたことがあると思います。アレです。日本国債の利回りが上昇したというニュースもありましたね。

 債券は、企業や政府が資金調達のために発行する借用証書のようなものです。投資家である私たちは、債券を購入することで、貸したお金の利息として定期的に利息を受け取ることができます。

債券投資の特徴

 債券投資の特徴はいくつかありますので、解説していきたいと思います。

比較的安定した利回り

株式投資と比べて値動きが小さく、比較的安定した利回りを期待できます。また、債券単価が100に対して80%、60%など安く購入できる債権もあり、満期で100となるので、その部分でも利益を得ることができます。

リスクが低い

債権は、政府や企業が発行する借用証書です。そのため、株式投資に比べてリスクが低いといわれています。債権の満期は長いものが多くありますが、その10年、20年に、債券を発行している国や企業が破綻するかどうかを心配するだけのリスクです。

流動性が高い

多くの債券は、証券取引所で売買されているため、必要に応じてすぐに売却することができます。ただし、取引している証券会社での取り扱いがあるかどうか、という注意点があります。

債権の種類は?

債権といっても多くの種類、分類があります。ざっと並べてみます。

発行体による分類

  • 公社債:国や地方自治体など公的機関が発行し、信用リスクが低い債券。国債、地方債など。
  • 社債:企業が発行し、公社債よりリスクが高くなる。普通社債、劣後債などがある。
  • 外債:外国の政府や企業が発行する債券。為替の影響を受けるが、高い利回りを期待できるものが多くある。円建て、外貨建てがある。

利払い方法による分類

  • 利付債:定期的に利息が支払われる。
  • 割引債:額面よりも低い金額で購入し、満期で額面を受け取ることで利益を得る。

ほかにも債券あります

 上記以外にも、債券の種類があります。上記の債権から派生するようなもの、枝分かれするようなものというイメージの債券です。私的には、「ほかにもあります」に含まれている債券投資をお勧めしますが、それは個別案件になるので、ここではやめておきます。

債券投資に向いている人は?

 債券投資は、投資に対して安定志向の人が向いています。具体的に解説していきます。

リスクを抑えたい投資家

 先ほどの特徴でも解説しましたが、債券の発行体は政府や企業であることが多く、デフォルト(債務不履行)のリスクが低いとされています。破綻する可能性が低いと考えています。

収入の安定性を求める投資家

 債券には、定期的に利息を受け取ることができるものがあります。退職金や貯蓄を債券投資に回して利息を受け取ることで、年金などの上乗せ収入として活用できます。

 ただし、債券の利回りは変動しますので、確定されているものではありません。

長期投資ができる投資家

 債権は満期まで保有することで額面金額を受け取ることができます。市場に出回る債権は、満期まで長期のものが多くあります。

NISAと別でする債券投資の意義

 2024年の新NISAスタートに伴い多くの情報が出ています。私から見ると「言い過ぎ」「言わな過ぎ」ということもありますが、それでも投資、資産形成に目を向けていただくことは嬉しく思います。

 そこで、NISA枠で購入する金融商品、NISA枠で購入できない債券投資をどう考えるのか、解説していきます。

NISA枠で購入する金融商品

 NISA枠を利用して金融商品を購入する場合の考え方として、「リスクを取る」ことが一番手、もしくは二番手になると思います。なぜなら、運用益非課税だからです。ある程度のリスクを取って運用益を求めることが重要だと考えています。

 それでは、リスク高めの商品ばかりでいいのか?というと、そこまでは言いません。NISA枠で購入するものは、大きく二つに分類されると考えています。ひとつは「リスクを取る」もうひとつは「長期保有」です。長期保有するものを中心にして、リスクを取る方は途中での売却も積極的に考えるようにします。

 この先は、具体的な投資信託などの話になるので控えますが、この二つの視点で考えてもらうと、整理しやすいと思います。メインとサブ、コアとサテライト、というように呼ばれます。

NISAじゃない債券投資

 それでは、NISA枠で購入できない債券投資の意味はあるのか考えてみたいと思います。利益を求めるNISA枠での投資と切り分けて考えていきます。安定的で、利益が見込める債券投資なので、10年後、15年後、20年後といった長期での利益が計算できます。比較的利率が低い傾向があるといっても、年率4%、5%の債券もあります。まとまった資金を投入しても、1.5倍、2倍になる見込みもあります。ただし、長期投資となります。

債券投資は「あり」か「なし」か

 私の結論を申し上げると「あり」です。長期投資に向いていますから、今は使う予定がない預金の一部を債券投資に回すのは「全然あり」です。

 子どもの進学のために現時点で100万円あるとして、実際の大学進学は10年後としたら、そのまま銀行口座に置いておくか、債券投資に回すか、つまり、0.何%の場所か、年利4%の場所か、どちらに置いておきますか?ということです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?

 債券投資は「あり」か「なし」か、考えてみるのもいいと思います。債券投資を推している人は少ない印象がありますが、活用方法によっては有効な投資対象となります。

 あなたの投資のポートフォリオ(組み合わせ)に、バランスを見ながら債権を組み入れることは有効だと思います。NISAで購入するもの、別で購入する債券とのバランスを自分なりに組んでみると良いのではないでしょうか。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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