相続税の追徴課税はどのように起きるのか?福井のFPが解説します

相続税の追徴課税はどのように起きるのか?福井のFPが解説します
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 金沢国税局より、相続税の調査結果が発表されました。福井県では申告漏れなどに対する追徴税額が前年の45.1%増になったということです。コロナ明けで実地調査が増えたとのことで、福井県では前年より16件多い64件の調査がなされ、56件の申告漏れがあり、そのうち9件は悪質な所得隠しだったとのこと。そして、追徴税額が前年より1億4200万円多い4億5700万円となりました。

 所得隠しは完全に悪質で、説明するまでもないかなと思います。今回は、うっかりも含めた、それはダメなんですね?という解説をしていきたいと思います。

 それでは、見ていきましょう。

相続税の追徴課税とは?

 相続税の追徴課税は、相続税の申告漏れや評価間違いによって、本来の納税額よりも少ない税額を納付した場合に、その差額に税率を乗じて計算した金額を追加で納付しなければならない、というものです。原因として「うっかり」「見解の相違」が含まれていると考えられます。あとは「金額が大きい」「対策が直前過ぎる(露骨にやる)」ことで悪質となるのも考えられます。

 悪質なことをしない私たちは、どのようなことが追徴課税の対象になるのか確認していきましょう。

申告漏れ

 相続税の申告が漏れてた、ことです。

 それは、被相続人の財産の全てを把握していないことが挙げられます。そんなところに!とか、聞いてない!ということはあると思います。

 相続税の調査に入るということは、資産があるご家庭だと思います。そもそも相続税を納税するのは8%程度で、12人に1人の割合です。家族が知らなくとも、国税が金融機関に調査に入り、いろいろと出てくることもあるでしょう。近年増加しているネット銀行、ネット証券、仮想通貨は注意が必要です。

 あとは、申告書の記入漏れもあるでしょう。作成間違いもあると思います。

評価間違い

 相続財産の評価額を過少申告した場合、税務当局は正確な評価額を求め、その差額に対して追加の相続税を課すことがあります。これは、相続税評価基準を理解していなかったり、専門的な知識や経験がなかったりしたことが原因となります。故意にするのとは違います。

 税理士先生が間違うことがあるのかないのか分かりませんが・・・

名義預金

 名義預金とは、祖父母が孫名義の口座に預金して、それを孫本人は知らないという、よくあるパターンです。祖父母が管理していて孫本人が知らないと、それは祖父母のお金ということで、そのまま亡くなったとしたら相続財産に加算されます。残された家族が名義預金の存在を把握していなかったり、相続財産に加算するべきであると認識していなかったりしたことで、申告していない場合があります。

生前贈与

 生前贈与で資産を移すことはよくありますが、相続発生の直前3年分は相続財産に加算します。ちなみに2024年からは直前7年です。

 そのような条件ですが、忘れてた、知らなかったで漏れていることもあるでしょう。

親族間取引

 親族間での資産移転や不動産の取引が相続税法に適合していない場合、これも追徴課税の対象になる可能性があります。極端に低い価格で渡すなども考えられます。「身内なのに相場価格なの?」という会話も想像できます。そういわれると、「こんなもんでいかが?」という金額に落ち着くこともありますよね。

相続税の追徴課税を防ぐには?

うっかりも、見解の相違もあると思いますが、できれば追徴課税は防ぎたいものです。どのようにすると防ぐことができるでしょうか?

相続財産のすべてを把握する

まずは、相続財産のすべてを把握することから始まります。ここを入り口にしないと、出口を間違えます。実際問題として、生前から話をしておくことが重要です。親を手伝う意味でも、郵便物やメールなどで、どの金融機関と取引があるのか知っておきましょう。銀行、証券だけでなく、保険もあります。

まずは、リスト化しましょう。できれば評価額も把握しておきたいです。

相続税評価基準を理解しておく

不動産、有価証券など、価格が変わるものがあります。相続税評価額を知っておきましょう。申告するための評価額を低く見ていると、あとから追徴となります。

相続税だけでなく、遺産分割にも必要ですから、相続税評価額を確認しておきましょう。

専門家に相談する

相続税を納税するご家庭は、税理士先生とお付き合いがあるかもしれません。先生のご意見を伺いながら進めるといいです。ただ、税理士先生が全員、相続に強いかというと、そうではありません。相続の経験が無い先生もいらっしゃるようです。

事前に相談ということであれば、ファイナンシャルプランナーも役に立ちます。家系図作成、相続財産のリスト化、場合によっては家族信託の提案などもファイナンシャルプランナーならではの相談となります。

まとめ

 相続税の追徴税額が増加したというニュースからこのように解説していきました。

 それにしても、64件の調査で56件の申告漏れがあったという、打率8割7分5厘という好成績!ドカベンの山田太郎は甲子園の通算成績打率7割5分なので、それ以上です。国税はドカベン超えました!

 それはさておき、悪質な財産隠し、財産移転は別として、うっかりや見解の相違で相続税が追徴されることは避けましょう。税理士先生と相談しながら、しっかり取り組みましょう。

 ファイナンシャルプランナーとしては、生前から家族会議を開いて会話をしていくことをお勧めします。認知症対策で家族信託という手段を取ることもできます。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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