資産形成を始めるときに確認したい8つのルール

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 今年から投資を始めた、これから積み立て投資を始めようと考えている人もいると思います。「儲かればなんでもいいわ」「どれがリターンが大きくなるかな」というスタンスだと、即撤退となるかもしれません。マイナスに気持ちが耐えきれない場合は、それも仕方ない部分もありますが、資産形成を始めて即撤退となるのはもったいないと思います。

 今回は8つのルールをお伝えしたいと思います。これから資産形成に取り組もうと考えている人は参考にしてください。すでに資産形成を始めている人は、この8つのルールを確認してみてください。今から見直すこともできます。先は長い投資人生ですから。

資産形成8つのルール

 資産形成を始めるときに、ルールを確認し、考えてみます。ルールといっても、「この状況になったら売り」とか、「こんなチャートは買い」というルールではありません。

 資産形成、投資に対するスタンスです。投資の世界で、心穏やかにいるためにどうするか?ということに繋がります。毎日ドキドキするより、ワクワクするレベルでいるために、8つのルールを確認しましょう。

 この8つのルールは、私が相談するときに話をしていく内容です。最終的にはもっと細かい話になるのですが、どのように資産形成に取り組むのか考えるときに活用できるルールです。

目的を決める 

 まずは、目的を考えてみます。老後資金、住宅購入資金、教育資金、独立開業するための資金など。なんのために資産形成をするのかを考えてみます。「とにかく儲かればいい」「この資金を何とか倍にしたい」という感覚でしたら、少々心配です。

 目的とは少しズレるかもしれませんが、資金を金利の低い銀行ではなく、リターンが期待できる場所に置くという、置き場所として投資の世界へ入っていくこともあると思います。

 目的や目標が決まっていると、目的を達成するために必要となるリスクやリターン、投資額などを考えることができるので、無理をする必要がありません。

分散投資でリスクを考える

 よくある投資の格言で「卵を一つのカゴに盛るな」があります。一点集中の投資は、それがこけたら立ち直れなくなる可能性があるので、いくつかに分散させると良いとされています。

 リスクの分散はリターンの分散とも言えます。それでも、リスクを抑える中でリターンを求める投資を考えることがポイントになります。

 分散とは、国や地域、時間、資産などがあります。日本、先進国、新興国などでどこに投資をするか、株式、債券、不動産などどの資産に投資をするか、一括投資ではなく積み立て投資で時間を分散するか、いくつか分散ポイントがあります。

 これは大枠の分類となります。9つすべてに分散する必要はなく、この中で何を採用するかと考えていきます。複数の投資信託を購入したとしても、同じように上昇する、同じように下落するのではあまり意味がありません。

 複数の数式、複数の投資信託を購入することは分散投資とイコールではありません。情報を読み解くか、信頼できるアドバイザーに相談できると良いと思います。

投資期間を設定する

 この投資は何年後を目指していますか?ということです。5年後、10年後、20年後など決めておきます。同じ1000万円を目標額にしても、10年後か20年後かで、投資額も異なりますし、リスクの取り方、リターンの求め方が変わります。

 投資期間を前もって考えておくと、無理をして余計なリスクを取らなくても大丈夫になりますし、リスクを取らな過ぎてリターンが弱くなることを防ぐことができます。あなたにとっての適切なリスクとリターンに近づきます。

 資産形成には4つの視点から検討します。それぞれに影響がある視点です。短期、中期、長期の目標に合わせて投資計画、資産形成プランを検討します。

リスク許容度を知る

 あなたがどの程度のリスクを許容できるか?ということもポイントです。少しの損失でも耐えられないかもしれません。あなたの気持ちの問題も含まれますが、リスク許容度は他にも考えることはあります。

 年代も重要です。現役世代なのか、すぐに老後生活が待っているのか、すでにリタイアして定期的な収入がないのか、ということです。高齢になってから大きくリスクを取る必要はありません。また、預貯金がどの程度あるのかも影響があります。持っている資産額でリスクの取り方が変わりますし、リスク許容度も変わります。

 年代、預貯金額、家族構成などの状況を踏まえて、ご自身の気持ちの問題を考えてみましょう。10万円の利益が出た!10万円の損失が出た!と、同じ10万円の振れ幅になりますが、10万円の利益の嬉しい気持ちより10万円の損失の方が3倍悲しいと行動経済学で言われています。

コストを意識する

 株式や投資信託、債券など金融商品を購入するとき、選ぶポイントとして、過去のパフォーマンス、金融商品の将来の見通し、業種、業界の将来性、世界の政治・経済情勢などがあります。

 もうひとつ意識するポイントに「コスト」があります。投資信託のコストには、購入手数料、信託報酬などがあります。株式も売買手数料があります。コストがパフォーマンスに与える影響を甘く見ずにチェックしていきましょう。

 ただし、低コストの投資信託が正義とまでは言えないと考えています。実際に、投資信託を保有している手数料である信託報酬が比較的高いものがありますが、それを超えるリターンがある投資信託もあります。同じような投資信託で選択するときにコストで決めることは有効だと思います。

 市場連動型でコストが低いインデックスファンド、比較的コストが高くなるが特徴的な商品が多いアクティブファンドがあります。過去データによりますと、インデックスファンドの方がパフォーマンスが良くなっています。

 金融商品でのコストもありますが、証券会社など金融機関の違いでコストも異なります。リアル店舗よりネット証券の方が比較的コストは低いです。とくにiDeCoは手数料が金融機関によって、まったく違います。近所だからこの銀行で、この証券会社でiDeCoの相談しようという安易な考えで始めると、あとで痛い目見るかもしれません。こんな手数料だとは聞いてない、とならないように注意してください。

短期的な変動に流されない

 市場の一時的な変動に惑わされずに、長期的な視点で資産形成を継続することがポイントです。直近の令和6年8月初旬に株価の大幅下落がありました。円高も急速に進み、外貨の投資も大きく影響を受けました。驚いて、慌てて売却された人も多かったと思います。

 短期的な変動に過敏に反応してしまうと、感情に基づいた投資判断になったり、安値で売却してしまったり、上昇のピークで高値買いをしてしまうなど、合理的な判断からは遠のいてしまいます。実際、多くの研究では、市場タイミングを狙って短期的に売買を行う投資家が、長期的に維持し続けた投資家よりもリターンが低いことが示されています。

 また、短期的な変動は一時的なものであり、長期的なトレンドとは無関係であることがよくあります。長期的な視点で資産形成を続けることが重要です。市場の短期的なノイズを無視し、自分の資産形成目標や投資方針に沿って冷静に投資を続けることが、成功するためですの基本的な考え方です。

ポートフォリオを見直す

 投資を成功させるためには、定期的に自分のポートフォリオを見直し、適切な調整を行うことが事前です。ポートフォリオとは、投資家が保有している株式、債券、投資信託、預貯金などの資産の組み合わせのことです。

 市場の動きや経済環境の変化によって、これらの資産の価値や割合は時間とともに変わっていきます。そのため、長期的な資産形成の成功には、定期的なチェックがポイントになります。

 まず、投資の目標や方針が変わっていないか確認することが大切です。例えば、ライフステージの変化(結婚、子どもの誕生、リタイアなど)や資産形成の目標(老後資金、教育資金、住宅資金購入など)を、見直してみます。

 また、リスク許容度の変化も考慮すべき要素です。以前はリスクを取れる状態だったが、今は安定した資産を増やしたいという状況変化があれば、ポートフォリオの構成を変更することになります。リスクが高い株式比率を下げて、債券などにシフトしていくと、リターンも下がることになりますが、リスクを大幅に抑えることができます。

 次に、ポートフォリオのバランスが崩れていないかを確認することも重要です。 例えば、株式市場が上昇し、株式の比率が高くなりすぎた場合、債券やその他の資産クラスに比べてリスクが高まっている状況かもしれません。このような状況では、リバランス(資産配分を元に戻す調整)が必要です。 リバランスは、リスクを正しく管理し、投資のリターンを最適化するために重要な手段となります。ポートフォリオのなかで、売却、購入をする、または別で追加購入をすることになります。

情報収集を継続する

 投資の世界で成功するためには、常に情報収集をし、正しい判断をするための知識を養うことが重要です。市場は日々変化しており、世界経済や政治情勢、企業の業績などの情報を見ていく必要があります。

 信頼できる情報源を利用することも重要です。 インターネットやSNSなど、あらゆるメディアから情報を得ることができる現代ですが、すべての情報が正確で信頼できるわけではありません。政府や機関の発表、信頼性のある経済ニュースメディア、または資格を持ったファイナンシャルナープランナーなど、信頼性の高い情報を持っているであろう人に相談できるようにしておくことも良いですね。

 さらに、情報を収集するだけでなく、それをどう解釈し、自分の投資方針にどう反映させるかも重要です。例えば、短期的な市場の変動に一喜一憂するのではなく、長期的なトレンドや経済の大きな流れを見極めることで、冷静な投資判断ができるようになります。ここが難しいところです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか?8つのルールを意識してみると、バランスが良い投資ができると思います。

 投資は短期で大きなリターンを目指すものではなく、リスクを分散しながら、時間をかけて資産形成することを目指していきたいと思います。今回紹介した8つのルールは、投資初心者だけでなく、経験のある投資家にも通用する一般的な原則です。

 自分一人で全ての判断をするのは難しいこともあります。あなたのライフプランや投資の目標に合わせた最適な資産形成プランを提案し、定期的な見直しやリバランスのサポートを行っていくために、FPやIFAに相談することもひとつの方法です。

Wrote this article この記事を書いた人

福田 智司

▶独立系ファイナンシャルプランナーとして、相談業務、セミナー講師などで活動しています。 ▶FBCラジオ ラジタス 第一木曜日 10:50~ 「FPふくちゃんのお金に関するエトセトラ」レギュラー出演中 福井で唯一?のラジオFPです ▶FPでIFAというポジションを活かした相談が得意 節約だけが家計見直しじゃない!を念頭に置いた相談を心掛けています。 ▶法人向けに企業型確定拠出年金の導入サポートを推進しております

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